イケア・ジャパンは8月29日、2019年度の事業戦略および新商品の発表会を実施した。会場には、イケアの独自調査に基づいて提案されたルームセットなども展開。そのほか、創業75周年を記念した復刻コレクションやコラボ商品、さらには東京都心部への新規出店予定なども発表された。
暮らし方の多様性にフォーカス
「より快適な毎日を、より多くの方々に」というビジョンを掲げるイケア。2019年度は、“スモールスペース”や“ライフスタイルの多様化”にスポットライトを当て、家での日々の暮らしの大切さを見つめていくという。
暮らし方や部屋づくりのアイデアが詰まったライフスタイルブック「イケアカタログ」も2019年度版が登場。それぞれ異なる生活習慣やストーリーを持った7つの家を紹介するという形で、全208ページにわたりバラエティ豊かなプロダクトを掲載している。東京での暮らしを参考につくられた16平米のアパートから、自然を身近に感じられるサステナブルな家まで、カタログ内には幅広いライフスタイルに役立つヒントが盛りだくさん。
紹介される7つの家のコンセプトは、イケアが独自に行っている暮らしに関する調査「Life@Home レポート」(22カ国、2万1,419名を対象に実施)の結果をもとに考案。同調査では、暮らしに関して世界共通の“5つのストレス”が存在することを提唱しており、イケアはそれを解決する方法としての部屋づくりを提案している。
自宅で感じるストレスの原因第1位は、「モノが多すぎること」。調査対象者のうち実に49%の人が、家庭内での口論の原因に「部屋にあふれているモノに対する感じ方の違い」を挙げているのだとか。
また、「スペースの線引き」も口論の引き金になりがちだ。42%の人が「自分のスペースを要求するのは気が引ける」と答えており、多くの場合それぞれの領域の境界線はあいまいなままになってしまっている。さらに、5人に2人は「居住空間の中にうっとうしく感じる同居人の持ち物がある」といい、「同居人の持ち物を本人に内緒で捨てたことがある」とまで回答している。
今回の会場では、それらのストレスを解消する方法のひとつとして、“空間を最大限に活かす収納”を提案していた。
家を居心地のよい場所にするには?
レンタル収納スペースや家庭用収納ソリューションが世界中で規模を拡大している現在、生活空間を広く使うために、より少ないモノで多くをまかなうことが必須となってきている。限られたスペースに必要なものをできるだけ保管し、なおかつ快適に。モノを処分する前に、まずは収納の可能性を探ってみよう。
また、同会場では、プロジェクターを用いてシチュエーション別の賢い収納方法を紹介するスペースも。5歳の子どもがいる3人家族や、ワンルームで1人暮らしをする20代女性など、それぞれの収納の悩みを「BILLY(ビリー)」「KALLAX(カラックス)」「PLATSA(プラッツァ)」3種の家具を用いて解決する方法例が提示された。
新商品やコラボも続々登場!
イケアは創業75周年を迎え、かつて人気を博した商品の復刻版コレクションもリリースする。8月23日には、第1弾として1950~60年代のアイテムを発売。10月18日には1970~80年代、12月13日には1990~2000年代と、往年の名作が立て続けにリバイバル予定とのこと。そのほか、新商品も多数用意している。
2019年以降の展開として、アーティストや他ブランドとのコラボ予定も公表。ファッションブランド「OFF-WHITE(オフ-ホワイト)」を手掛けるヴァージル・アブロー氏や、「adidas(アディダス)」、「LEGO(レゴ)」とタッグを組み、新たな動きを見せる。
加えて、東京都心部へ新たに出店を検討していることも明らかにした。昨年より日本全国でも利用可能となったオンラインストアのさらなる強化を図り、デジタルデバイスでの展示などとも組み合わせることで、郊外の大型店舗とは異なる新たな集客を狙うという。
さらに長期的なビジョンとして、SDGs(Sustainable Development Goals)に関する取り組みに触れる発表も。イケア・ジャパンは、環境保護の一環で2020年までに使い捨てプラスチック製品の販売を中止するとのこと。該当する商品は、ストローやゴミ袋、フリーザーバッグなど計7品。これらはすでに製造を中止しており、在庫を売り切り次第、販売を中止する。
イケア・ジャパンは現在、国内に9店舗を展開しており、2020年には14店舗まで拡大する見込みとも発表している。今回紹介したカタログもオンラインで利用できるため、実店舗と併せて活用し、毎日の暮らしをより快適にしてくれるアイデアを探してみよう。
※価格は全て税込