西川産業(東京西川)は8月28日、1万人の睡眠事情を調査した「東京西川 睡眠白書2018」を発表した。調査期間は2018年7月4~9日、有効回答は18~79歳の3,000人。
「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」が作成した世界共通の不眠症判定法「アテネ不眠尺度」の基準に則り、被験者の「不眠症の疑い」を調べたところ、49.3%が「不眠症の疑いあり」との結果に。睡眠の質について「満足」と答えた割合は31.8%にとどまり、「不満」が68.3%を占めた。
心身・肉体・精神の疲労状況別に睡眠の質に関する満足度をみると、「肉体的に疲れた1日」では満足度は53.9%だったのに対し、「精神的に疲れた1日」では38.8%にとどまった。最も満足度が高かったのは「心身ともにゆったりした1日」(66.8%)、最も低かったのは「心身ともに疲れた1日」(38%)となった。
日本睡眠科学研究所は「精神的な疲れは交感神経を優位にさせ睡眠の質を低下させている可能性がある」と推測。その上で「睡眠の質が低下するとイライラや不安・落ち込みやすくなるなど、さらに精神的な疲労を受けやすく悪循環に。そうならないためにもまずは眠る前に心身をリラックスさせて質の良い睡眠をとることが大切」と述べている。
悩み事が原因で眠りにつくことが難しかった時の「悩みの種類」を聞くと、1位が「将来に関する悩み」(23.9%)、2位が「健康に関する悩み」(18.2%)、3位が「金銭面での悩み」(18.1%)となった。
同研究所は「性別・年代別に見てみると、男性は仕事に関連した悩みが多く、定年退職後である60~70代になると悩みがなくなる方が多い。対して女性は悩み第1位の『将来への不安』や、3位の『金銭面での悩み』、その他の悩みに関しても生活・家族のことなど、男性に比べて悩みの種類が多い傾向があった」と分析している。
さらに、健康に対する向き合い方と睡眠やその他の生活習慣について、「重要性を感じているか否か」の尺度と「満足できているか」の尺度を掛け合わせたところ、「重要性を感じていながら満足できていない」要素のトップに入ったのは、「睡眠の質」や「睡眠環境の良さへの配慮」となった。
同研究所は「『睡眠を充分にとる』ことも比較的実践できているが、『睡眠時間』ではなく『睡眠の質』については重要視しているものの、『満足度を上げるにはどうしたらよいのか?』の解が見つからない様子が伺える」と推測している。