俳優の綾野剛が、テレビ朝日系主演ドラマ『ハゲタカ』(毎週木曜21:00~)の第4話から第6話を振り返った。
綾野演じる企業買収のスペシャリスト・鷲津政彦が、「ハゲタカ」とバッシングを受けながらも日本の名門企業を次々と買収し、再生していく様を描く同作。第6話までの第2部が終了したことを受け、綾野が印象に残っているシーンを挙げた。
第2部では、高嶋政伸演じるPCメーカー「ファインTD」の社長・滝本誠一郎が鷲津の敵として登場した。綾野は「思い返すと僕自身の中で一番強烈だったのは、第4話、『日本ルネッサンス機構のパーティーで、滝本と初めて会ったシーン』でした」と語り、「通常、人が近寄ってくるとその気配を察するものですが、滝本は突然横にスッ、と来た。鷲津のパーソナルスペースに簡単に侵入してきた…。その瞬間に、鷲津は滝本に対して同じニオイを嗅ぎ取ったのだと思います」と振り返る。また、滝本について「たまたま『あけぼの』という企業を巡って、敵同士であった2人ですが、立場が違えばそれなりの関係を築けていたのかもしれないとも感じました」とも語った。
そして、第2部のラストでは、鷲津は国内有数の総合電機メーカー「あけぼの」の新見会長(竜雷太)と初めて相対。綾野は「バブル期以前から崩壊後、そして現在まで、大企業とその社員たち、ご家族を背負ってきた偉大な経営者の佇まいを、あのとき鷲津は強く感じたと思います」と振り返り、「激動の時代を必死に戦い抜いてきたひとりの人への礼節として、鷲津は深く頭を下げました。あれだけ鷲津が深く礼をするのは、このドラマの中であのシーンが初めてだったように思います。役職を言わず"新見さん"と呼んだことにも、鷲津なりの新見元会長に対する人間的姿勢。それだけの敬意を持って対面したのではないでしょうか」と述べた。
しかしその後は、またまっすぐと前を見据えて歩き去った鷲津。綾野は「その姿勢に、鷲津の『まだまだ自分にはやるべきことがある』という強い意思が表れていました」と語った。
30日放送の第7話からは、第3部を迎え、ドラマオリジナルストーリーが始動する。18年、平成最後の夏に日本を代表する名門重工業メーカー「帝都重工」で大規模なデータ改ざん事件が発覚。経営危機に陥った「帝都重工」を救うため、日本ルネッサンス機構の飯島(小林薫)は鷲津に救済を求めるという内容だ。
綾野は「これまでは対『企業』、対『人』でしたが、いよいよ『日本』と戦っていかなくてはなりません」と第3部を説明。そのうえで「ある種の"愛国心"を持ってこの先のことを考えていくためのメッセージになれば、と思っています。2018年の今、起きていることをそのまま感じることができる第3部。誰も知らない『ハゲタカ』をお届けします」と抱負を述べた。