SNSに映える料理がブームになっている昨今。見た目が華やかだったり変わっていたりすると、みんなで盛り上がりながら食事ができるのが楽しい。その一方、見た目は良いけど味はイマイチ……なんてこともなくはない。そんな中、SNS映えブームに乗っかったと見せかけて、じつは味もサービスも充実している居酒屋を発見! その店こそ、「米家ル(マイケル)高田馬場店」(東京都新宿区)だ。
米へのこだわりが店名の由来
『米家ル(マイケル)高田馬場店』は、2016年10月にオープンした居酒屋で、JR高田馬場駅 早稲田口から徒歩1分のビル3階にある。場所柄、宴会がとても多いそうだ。和食をメインとしており、魚、米、日本酒それぞれの仕入れ先からこだわり抜いているという。
店長の関口肇さん曰く、「『五穀豊穣』をテーマに、魚も仕入れからこだわって、店舗で捌いてご提供しています。おつまみにしても、手作りでおもてなしの心をお客様にお伝えできれば良いなと思っています」とのこと。
この日も、夕方からの営業に備えて昼の早い時間から仕込みをしている中で、取材にお時間を割いていただいた。その誠実そうな受け答えに、味の方にも俄然、期待が高まってきた! のだが、やっぱり気になるのがその店名。「米家ル(マイケル)」って……どうしてもエンタメ感が先走っている気がするんですけど。どうしてこうなった!?
「美味しいお米を楽しんでもらいたいということと、古民家のような内装、来店されたときに家に帰って来たような空間を提供するという意味で、米と家を合わせて“米家ル”がハマった感じです」(関口店長)
なるほど、コンセプトはわかったけど、そこに『ル』を足してしまう遊び心と勇気がなおさらすごい。よく考えたらすっかり店名を覚えているし、まんまと釣られててしまったようだ。
パフェのようなマグロ丼って!?
そして釣られたといえばもう1つ、今回のキャンペーン・メニュー。7月19日~9月30日までの期間限定で提供されている「パフェみたいな生本マグロ丼」(税別980円)だ。もう、このビジュアルは完全にSNSに映えることを想定してることは疑いようがないが、目を止めてしまうのは確か。
マグロ、いくら、うにが贅沢に盛り付けられ、パフェグラスに敷き詰められたご飯の間にストロベリーのごとくマグロが入っている。見た目は本当にパフェのような可愛らしさと華やかさで、テーブルにやってきた瞬間に思わず「おおっ!」っと歓声を上げてしまったくらいだ。
しかし、見た目だけの出オチメニューじゃない。ここからが「米家ル」の本領発揮なのだ。使われているのは、市場に出回ることが少ない希少な長崎県産の生本マグロ。赤身、中トロ、大トロが乗っているだけでも十分贅沢なのに、脳天、カマトロ、ほほ肉というさらに希少な部位まで。マグロは濃厚そうだが意外とあっさり目で、飲んだ後からでもすんなり食べられそう。
部位ごとの美味しさがあり、食感もまったりしていたり結構歯応えあったりと、食べ心地も全然違うから食べていてワクワクする楽しさがある。その上、うに、いくらがこぼれるくらいに、いやもうこぼれてるし! という感じでドーンと惜しげもなく乗せられている。いくらは本当に食べきれないほど乗っているのだが、九州の甘めの醤油も用意されているので、わさびをたっぷりつけて甘辛く味変して食べてみるのもおすすめ。
リーズナブルな価格なだけあって、1人1つ注文して食べる人たちも多い様子。確かにこの美味しさは1人占めして食べちゃうな~。もちろん、シェアしても満足できるほどのボリューム感もある。
そしてこの「パフェみたいな生本マグロ丼」、魚介が美味なのはもちろんだが、ご飯が本当に美味しい! お米は、東日本大震災で甚大な被害を受けた、岩手県陸前高田市で、復興を目指して栽培が始まったオリジナルブランド米「たかたのゆめ」を使用。
炊飯器ではなく羽釜を使って炊きあげているそうだ。絶妙な炊き加減を感じられる少し硬めなお米は、1粒1粒がしっかりと立っていて甘みがある。なんと、ご飯は同じ料金で大盛りにしてくれるという。どこまで出血大サービスしてくれるんだ、「米家ル」さんよ。赤字になってもしらないぞ。