パラレルスは8月23日、Mac上でWindowsやLinuxなどのゲストOSをヴァーチャルマシン(以下VM)として実行できる「Parallels Desktop」の最新版「Parallels Desktop 14」の発表会を開催。製品の概要説明とデモが行われた。
2017年に発表された「Parallels Desktop 13」のときと同様、Macの最新OS Mojaveに先駆けての発表。当然ながらmacOS Mojaveに対応すると同時に、全体的なパフォーマンスの向上、VMのストレージ最適化、グラフィック処理性能の向上など、いくつかの機能アップを実現している。
また、Parallels Desktop 13のときにも見られた、次期Windowsが実装する予定のMicrodoft Inkを使った新たな機能に早々に対応するなど、積極的な取り組みを行なっている。
最新「macOS Mojave」への対応
まず最新のmacOS Mojaveへの対応に関しては、ダークモード、クイックルックのサポート、スクリーンショット、iOSとのカメラ連携機能などが統合される予定。今回のデモはHigh Sierra上で行われており、実際にはそれらの対応状況は確認することはできなかったが、すでに問題なく動作しているようだ。またmacOS Mojaveのベータ版はすでにゲストOSとしてParallels Desktop 13、および14に登録可能になっている。
今回、米Parallels社のアジア・太平洋地域 ジェネラルマネージャーのケビン・グリーリー氏が特におすすめするのは、全体的なパフォーマンスの向上だ。VMのコールドスタート、ホットスタートが早くなり、動作も全体的に高速化。さらにIntel Cannon Lake プロセッサでのAVX-512命令(iMac Proに適応し、新しいMacBook Proや発売予定のMac Proでも適応)の実行をサポートし、一定条件下ではパフォーマンスが2倍に向上すると言われている。
またリソースモニターを使うことで、現在稼働しているMac本体とVMのCPU使用率を確認できる。
ストレージの最適化は容量を確認できる
デモを担当した米Parallels社のシニア・プロダクトマネージャー カート・シュマッカー氏がイチオシとして紹介するのが、VMのストレージの最適化だ。「ディスク領域を解放」ウィザードを使うことで、使用している複数のゲストOSでどれくらいの容量が節約されるかを確認して実行できる。特にスナップショットは、これまでの15%以下の容量で保存が可能になる。
グラフィック性能が向上、新機能にも対応したWindows VM
Windows 10のVMへの対応も進化している。まずWindowsのグラフィックライブラリであるOpen GLのサポートを改善し、グラフィック処理性能が向上。これまで動かなかったCAD/CAMアプリやグラフ作成アプリが動作可能になっている。また13までWebカムなど外部カメラは2K対応だったが、今バージョンから4Kカメラにも対応できるようになった。
WindowsとTouch Barの統合はさらに機能をアップし、Touch Barウィザードを使ってよく使うWindows アプリケーション専用のTouch Barをカスタマイズできる。さらに、カスタマイズ時に追加したい機能が表示されない場合は、Touch Bar XMLオーサリング機能を使って、独自のボタンをアプリで使うこともできる。
Microsoft Inkの新機能もサポート
次期Windowsで実装される予定のMicrosoft Inkを使った機能もサポート。タブレットでの筆圧感知機能に対応し、PowerPointやAdobe Photoshop、Illustratorなどでタブレットから強弱をつけた線を描くことができる。他にもWord上でInkジェスチャを使って改行やスペース詰めなどの編集も可能。そしてParallelsらしい実装としては、ファンクションキーを押しながらトラックパッドを使うことで、タブレットと同じようにInk機能を利用できる。
Parallels Desktop 14は8月24日から。永続ライセンスに関しては店頭での通常版、乗り換えアップグレード版、生協版、オンラインストアでのアップグレード版(12または13からのアップグレードが対象)が販売開始。各サブスクリプションに関しては、通常版、アップグレードともApple Store、パラレルス オンラインストアなどで購入できる(Proエディションは家電量販店等でも販売)。