なんとなく気分が上がらないとき、身体や心が疲れているとき、お気に入りの香りをかぐと、ふっと気力が湧いてくることがあります。お気に入りの香りに包まれて暮らせたら、きっと毎日はもっと素敵なものになるはず。そこで今回は、おすすめのルームフレグランスとその使い方を紹介します。

アロマオイルにお香など……ルームフレグランスにはどんなものがある?

部屋の中を香らせるためのルームフレグランスには、アロマオイルやお香、ファブリックミストなど、たくさんの種類があります。「自分の部屋にはどれが合うの?」と迷ってしまうことも。それぞれルームフレグランスには、どんな特徴があって、どんなふうに使うといいのかをまとめてみました。

アロマオイル

アロマオイルは植物に由来する香料を元にした香りのあるオイルのこと。また、100%植物に由来する成分だけを使っているものは、エッセンシャルオイル(精油)と呼ばれます。

アロマオイルの楽しみ方は様々ありますが、部屋全体を香らせる場合はディフューザーという香りを拡散させる道具を使うのがおすすめです。中には加湿器として使えるものも。昔からあるアロマポットやアロマランプと違い、火や熱を使わないので、安全性も高いです。

より手軽に使えるのがリードディフューザー。アロマオイルを入れた瓶に竹などでできたリードと呼ばれる細いスティックを差すことで、オイルを吸い上げて、周囲に香りを拡散します。置いておくだけで常に香りが広がります。

また、テーブルの周りだけ、ベッド周りだけといった省スペースで香らせたいなら、アロマストーンがおすすめ。素焼きの石にアロマオイルを垂らすことで、その周辺のみを香らせます。自分の周囲だけ香らせることができます。

お香

お香には円錐型のコーンと細い棒状のスティックの二種類があります。コーンは短時間で一気に香りが広がります。燃え尽きるまでの時間は短いですが、火がついている間は煙が多め。来客前などに炊いておき、到着したときにその残り香を楽しんでもらうといった使い方がおすすめです。

また、スティックは太さが同じなので、均一に燃えていき、ゆっくりと香りが広がります。煙も控えめなので、部屋でくつろぐときなどに使えます。

ルームスプレー

スプレータイプのルームフレグランスには、アロマオイルを使った手作りのものから、布用除菌消臭スプレーやファブリックミストと呼ばれる市販品まで様々あります。部屋全体をしっかり長く香らせるというよりも、リフレッシュや空気清浄の意味で短時間香らせるものが多いです。また、除菌消臭効果があるものは衣服やカーテン、ソファなどの洗いにくいファブリックのお手入れに使うことも。

シュッと軽くスプレーするだけで、さっと香りが広がるので、急な来客や気分転換をしたいときにおすすめです。

香り上手になるためのルームフレグランスの注意点

香りのある暮らしは素敵ですが、周囲への配慮を忘れてはいけません。最近では「スメハラ」「香害」といった言葉も聞かれるようになりましたが、強い香りによって不快感や体調不良を引き起こす人もいます。

人はにおいに慣れやすく、その場に長く居続けると強いにおいにもだんだんと嗅覚が働かなくなると言われています。自分ではほのかに香っている程度だと思っていても、実は強烈なにおいになってしまっていることもあります。「自分の部屋でやっているだからいいでしょ」と思うかもしれませんが、集合住宅であれば、窓や玄関を開けたり、換気扇を通じたりして、香りが共用部や隣室まで届いてしまうこともあるので、くれぐれも気をつけて。

また、煙の出るお香は、部屋の壁や天井を汚す可能性があります。使用する頻度や長さにもよりますが、一日に何度も同じ場所で使っていると、その煙の当たる部分が変色したり、劣化することもあるので、注意してください。気になるときは、食器用洗剤を水で薄めてたもので拭き掃除をしましょう。

暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー:河野真希
ウェブや雑誌など各種メディアで、料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを目指すライフスタイルを提案。著書に『ひとり暮らしの季節ごよみ』(祥伝社)、監修本に『家事のお手本-大人のたしなみ賢いくらし』(泉書房)『頑張らなくても素敵に暮らせる「夜だけ家事」で快適シンプル生活』(双葉社)などがある。
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