8月26日で最終回を迎える特撮ドラマ『仮面ライダービルド』から、翌週の9月2日に第1話を放送する新番組『仮面ライダージオウ』への"引継ぎ"をするバトンタッチ会が8月24日、東京・ベルサール秋葉原で開催された「平成仮面ライダー20作品記念フェスティバル前夜祭」内で行われた。『仮面ライダービルド』の犬飼貴丈、赤楚衛二、武田航平のほか、平成仮面ライダー第20作『仮面ライダージオウ』で主演を務める奥野壮が登壇し、先輩ライダーからフレッシュな後輩ライダーへと文字どおりバトンを受け継ぐ、最高のビジュアルが作られた。

  • 左から、赤楚衛二、奥野壮、犬飼貴丈、武田航平

「平成仮面ライダー20作品記念フェスティバル」とは、『仮面ライダークウガ』(2000年)を第1作とする「平成仮面ライダーシリーズ」が、『仮面ライダージオウ』で20作を数えることを記念したイベントで、展示スペースには仮面ライダービルド、仮面ライダークローズ、仮面ライダーグリスのキャラクター立像のほか、歴代平成ライダーの変身ベルト玩具(バンダイ)、そして最新ライダー『ジオウ』関連商品、精密造形・関節可動フィギュアの「S.H.Figuarts」シリーズ、さらには24日に情報が解禁されたばかりの『仮面ライダークウガ』変身ベルト「CSM アークル」などが並び、それぞれがライダーファンの熱き注目を浴びていた。

一般のファンの目の前に初めて姿を現した仮面ライダージオウと、仮面ライダービルドとのそろい踏みの後、『仮面ライダービルド』キャストによるトークショーが開始された。ステージには、仮面ライダービルド/桐生戦兎役の犬飼貴丈、仮面ライダークローズ/万丈龍我役の赤楚衛二、仮面ライダーグリス/猿渡一海役・武田航平が現れ、いよいよ最終回を目前に控えた現在の心境を語った。

「1年間を振り返って、仮面ライダービルドとはどんな作品だったか」という問いに対し、犬飼は「自分に一から仮面ライダーのことを教えてくれた、まさに僕を"ビルド"してくれた作品」と真摯に答え、さわやかな笑顔をのぞかせた。赤楚は「1年にわたって同じ役を演じ続ける機会はそうそうないこと。自分にとって宝物になりました」と『ビルド』で過ごした1年の重みを実感しながらコメント。武田は「3号ライダーとして、あんなにいい最期を迎えられたことは幸せ。僕は仮面ライダーを演じるのが2度目なのですが、前回の『仮面ライダーキバ』(2008年/武田は仮面ライダーイクサに変身する紅音也を演じた)を超えることができたかな、と思っています。まさに、心火(しんか)を燃やして散ることができました!」と、第47話「ゼロ度の炎」でのグリス最後の戦いについて、しみじみと振り返った。

「特に印象に残っているシーンは?」という質問では、赤楚は「映画(平成ジェネレーションズFINAL)で初めてクローズに変身したシーン。クローズドラゴンをベルトになかなか入れられなくてNGを連発し、30テイク以上も重ねてしまった。大変だったので、すごく覚えています。しかも、緊張しすぎて両足がもたついてしまったのがOKになって恥ずかしかった」と、初変身で緊張したことが印象に残ったと語った。

武田は、「貴丈や赤楚は撮影開始から1年以上経っているけれど、途中参加の僕は9か月くらい。それでも、印象的なシーンはどんどん出てきます。中でも、一海の仲間である青羽を倒してしまった戦兎が大きなショックを受けるシーン。タイトなスケジュールでいちばん厳しいときの撮影だったんですけれど、犬飼くんが気迫を込めて演じている姿がとても印象に残っています。あと、万丈が一海を蹴飛ばすシーンがあったのですが、あそこでは赤楚がいい表情をしていた」と、2人の感情のこもった熱演を絶賛。自分のシーンについては「この2人がカッコいいヒーローとして双璧をなしているので、あとは僕とヒゲ(仮面ライダーローグ/氷室幻徳役の水上剣星)が、30代のライダーとして彼らをサポートできたらなと思っていました」と、ライダー経験もある年長者として余裕を見せるコメントを残した。

武田は、第47話の"消滅"についても「最後はもう、盛り上げて盛り上げて、って感じですね。いい死に方ができました。みーたん(石動美空役・高田夏帆)の涙にも助けられましたし、上堀内(佳寿也)監督の演出もすばらしい。こんな退場の場を与えてくれた武藤(将吾)さんの脚本もありがたかったですし、仮面ライダーというのはキャスト、スタッフ、そして観てくださるみなさんも含めて、多くの人によって作り上げていくものだと感じました」と、一海役への愛着と『ライダー』に関わる者たちすべてに対しての感謝を表した。

気になる『ビルド』の結末について尋ねられた犬飼は、「まだ放映前なので何も言えませんが、物語の終わり方としてはすごく美しく、好きな終わり方。台本を読んだとき鳥肌が立ちました」と語り、波乱に富んだ急展開続きの『ビルド』を締めくくる納得の最終回であると、ファンの期待をあおっていた。

そして、新番組『仮面ライダージオウ』より、主人公の仮面ライダージオウ/常盤ソウゴを演じる奥野壮がステージに現れ、「自分も観ていた『ビルド』が終わるという寂しさがあるが、今度は『ジオウ』が始まるぞという楽しみが生まれました」と、大勢のファンの前で堂々と挨拶を行った。

昨年は『仮面ライダーエグゼイド』(2016年)の仮面ライダーエグゼイド/宝生永夢役・飯島寛騎からバトンを託された犬飼は、今度は奥野に新しいバトンを託す側となる。ビルドとジオウを模したバトンを奥野に手渡した犬飼は「1年前、もらったときはただのバトンだと思っていたが、今では1年間の重みがこのバトンに詰まっている。これまでいろいろな人がつないできたバトンを、今奥野くんに託すんだなという思いがわきあがっている」と、1年間にわたる『ビルド』の重みと、平成仮面ライダー20作の重みを『ジオウ』に託すことの重大さを噛みしめていた。

『ジオウ』とはどんな作品か?という質問に対して、奥野は「常盤ソウゴが時空を超え、レジェンドライダーたちの力を借りて悪と戦っていく物語」と答えた。先輩ライダーである『ビルド』からも戦兎と万丈が登場することが、予告編映像からも明らかになっている。犬飼、赤楚との共演についての感想を聞かれた奥野は、「お2人がそろって変身するシーンでは、息がピッタリでワンテイクOKでした。僕(ソウゴ)にも仮面ライダーゲイツ/明光院ゲイツ(演:押田岳)という相棒がいるのですが、まだまだ呼吸が合っておらず、これが"1年"の壁だと思いました(笑)」と苦笑しながら語った。

先輩ライダーから奥野へ何かアドバイスはあるか?という質問では、武田が「10年前にはわからなかったが、今になってわかったことがあります。プライベートでもヒーローらしく立ち振る舞ったほうがいいということ! 街で子どもたちに声をかけられたら、不機嫌な顔なんてせずに『なに?』って明るく対応してください。そういう意識を持つことで仮面ライダーという作品に向かっていけると思います」と、さすがの名アドバイスを披露し、若きヒーローにエールを贈った。

赤楚は「常盤ソウゴを演じられるのはあなたしかいないので、ハードなスケジュールですけれど、体を大事にしてね」と、代わりのきかないオンリーワンのヒーローだけに、健康管理に重点を置いたアドバイスを行った。犬飼は「仮面ライダーに関わっているスタッフさんは、誰一人妥協しないし、真剣だし、みなさんが最高のプロフェッショナル。そんな人たちの"背中"を見ながら、頑張ってほしい」と、作品作りに一切の妥協を許さないプロと一緒に仕事をするという心がまえを説いた。

変身ベルト「ジクウドライバー」に「ライドウォッチ」をセットすることにより、常盤ソウゴは仮面ライダージオウに変身する。ここでリクエストを受けた奥野は、どうどうたる表情で「変身ポーズ」を披露。初めて生で変身ポーズを見た客席のファンを興奮させていた。

最後に武田は「自分にとって、素敵な仲間と一緒に『ビルド』に携われたことは宝物のように思っています。続く『ジオウ』もみなさんで盛り上げていければ」とコメント。赤楚は「振りかえってみると1年間はあっという間だった。これからも仮面ライダーを応援してください」と感慨深げに語った。犬飼は「『ビルド』が終わっても『ジオウ』が始まります。仮面ライダーシリーズは永久に不滅です!」と目を輝かせながら仮面ライダーシリーズの継続と発展に期待を寄せた。奥野は「『ジオウ』をぜひ楽しみにしてください!」と、こちらも希望に満ちた笑顔でファンに放送開始を熱烈アピールした。

「平成仮面ライダー20作品記念フェスティバル」は8月25・26日の2日間、ベルサール秋葉原にて開催される(入場料:無料)。両日とも14:30から『仮面ライダービルド』キャストによるスペシャルトークショーを実施し、25日には犬飼貴丈、赤楚衛二と『ビルド』プロデューサー・大森敬仁氏、26日には犬飼貴丈、赤楚衛二、武田航平が登壇する。また、ジオウとビルドが活躍するヒーローショー(約10分)や、子どもを対象にしたハイタッチ会なども実施される。歴代ライダーの変身ベルトや『ジオウ』関連商品をはじめとする展示コーナーや、平成20作品を記念したTシャツ、タオルなどの物販コーナーも見逃せない。