アイドルグループ・Sexy Zoneの中島健人が、漫画家・石ノ森章太郎の半生を演じる日本テレビ系『24時間テレビ41ドラマスペシャル「ヒーローを作った男 石ノ森章太郎物語」』(きょう25日21:00ごろ放送)。木村文乃演じる章太郎の姉・由恵との早すぎる別れという悲劇が描かれるが、随所にコミカルなシーンも散りばめられ、テンポよく楽しめる作品に仕上がった。
今年の『24時間テレビ』のテーマは「人生を変えてくれた人」。章太郎にとって、3才年上の姉・由恵は、画を描くきっかけとなり、漫画家という夢へ支援し続けた、まさに「人生を変えてくれた人」だが、喘息持ちだった彼女は、22歳という若さで亡くなってしまう。中島が「自分自身も演じていて、深い悲しみを感じました」と言うとおり、最愛の人との別れは、涙なくして見られない人が続出するだろう。
『24時間テレビ』のドラマスペシャルは長年、難病との闘いを描いた感動の作品がラインナップされてきたが、昨年の『時代をつくった男 阿久悠物語』で、初めて著名人の生涯を物語を放送。今年も引き続き、エンタテインメントの世界で足跡を残した人物が主人公だが、登場人物に個性あふれすぎる漫画家たちが集結し、演じるキャストも、手塚治虫役のバカリズムに、水野英子役の尼神インター・誠子といった芸人たち、漫才師役経験のある赤塚不二夫役の林遣都(『火花』)、寺田ヒロオ役の大野拓朗(『わろてんか』)といった面々が脇を固めているだけあって、随所にクスッと笑えるシーンが盛りだくさんだ。
そんな演者たちが繰り広げる、漫画家の聖地「トキワ荘」でのひとつ屋根の下のシーンは、部屋も狭くて決して豊かな生活ではないが、希望と活気に満ちあふれた雰囲気が伝わってきて、そこに流れるcobaのアコーディオンが心地いい。ドラマ公式Twitterからも垣間見られるが、現場のキャストたちが和気あいあいのチームワークを形成しており、それが作品にも反映されている印象を受けた。
だが、そうしたシーンが強く刻み込まれるほど、姉の死という悲しみが、より大きな衝撃に。才能に恵まれた充実の日々から、大好きな漫画が楽しいものではなくなってしまった章太郎…まるで別人となってしまったその姿を、中島が見事に演じ分けている。
悲しみから逃げるように海外へ飛んだ章太郎。そこから、『サイボーグ009』『仮面ライダー』『がんばれ!ロボコン』『人造人間キカイダー』『秘密戦隊ゴレンジャー』といった名作を生み出す大漫画家へと成長させた「人生を変えてくれた人」が誰だったのかにも注目だ。
ちなみに、キャストには、初代・仮面ライダーを演じた藤岡弘、、ショッカー役の経験がある唐沢寿明も名を連ねているが、今回の役柄は発表されていない。この2人の登場も、クスッと笑ってしまうシーンになっているので、こちらも楽しみに見てほしい。