「理想の部屋で、一人暮らしを始めたい!」と思い立ったら、すぐに物件を探したくなりますが、まず大切なのは事前準備です。部屋を借りるためには、まとまった費用が必要になるため、引っ越してしまってから「間取りが住みにくい……」「騒音が気になる」と後悔しても、すぐにまた引っ越しするというわけにはいきません。

そこで今回は、理想の部屋探しのために知っておきたい一人暮らしのメリット・デメリットといった基本情報と、部屋探しの前に整理しておきたい情報や気をつけたいポイントを解説します。

注意したいポイント

一番注意したいのは、よく考えずに部屋を選んでしまうことです。たとえば「家賃が安いから」と契約したものの、実際に住み始めたら「駅から遠すぎて通勤に不便」という残念な結果に……ということもありえます。

このような失敗を防ぐためには、自分が住みたい部屋の条件と、何を優先するのかを明確にしておくとよいでしょう。その上で必要になってくるのが、情報収集です。一人暮らしを考えはじめてから、実際に引っ越すまでの流れをおおまかに把握しておきましょう。

1.住みたい部屋の条件を書き出して優先順位を決める。(家賃・間取り・周辺環境など)
2.物件を探し、気になるところが見つかったら不動産屋に相談する。(訪問相談、またはWEB上での相談)
3.部屋の見積もりをもらう。(不動産ポータブルサイトを利用して複数の見積もりを比較してもOK)
4.気に入った部屋を実際に見学する。
5.契約する。
6.引っ越しする。

お部屋探しから引っ越しまでの流れがつかめたら、一人暮らしのメリットやデメリットし、さらに整理しておきたいことがらや、どんな点に注意して部屋を選んだらよいのかを順番にみていきましょう。

一人暮らしのメリットとデメリット

ひと言で「理想の部屋」といっても、個人によってその基準は異なります。例えば日当たりのよい部屋は朝起きて日中活動する人にとってはいいかもしれませんが、逆の生活を送る人にとってはあまりいい部屋とは言えないかもしれません。「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、事前に自分自身にとってのメリットとデメリットを把握しておきましょう。

一人暮らしのメリット

例えば一人暮らしのよさとして、多くあげられるのが「自由」なこと。この自由とは、部屋のインテリアなど「モノを選べる自由」と、「生活面での自由」に大きく分けることができます。

モノを自由に選べる

家具やインテリア、細かな備品や雑貨にいたるまで、「自分の好みでモノを選べる自由」があります。もちろん、予算面での制約はありますが、部屋のインテリアを自由に選びレイアウトできる点は、一人暮らしの醍醐味であり大きなメリットのひとつです。

自分のペースで自由な生活ができる

一人暮らしなら、夜更かしをしても休みの日に何もせずにのんびりと過ごしても、家族に叱られる心配はありません。時間を忘れて、好きなだけ趣味に没頭することもできます。他者からの束縛を受けずに、自分のペースで生活できる自由があることも、一人暮らしの魅力的なメリットといえるでしょう。

一人暮らしのデメリット

「出費が増える」「家事の手間が増える」「病気のときに困る」などは一人暮らしのデメリットとしてよくいわれることですね。

家賃などの出費が増える

家賃や水道光熱費、電話料金などの新たな出費が増え、食費も全額自分で捻出しなければなりません。洗剤やトイレットペーパーなどの消耗品も定期的に自分で買い足す必要があります。

家事の手間が増える

生活面では基本的に炊事・洗濯・掃除を全部自分でこなさなければなりません。外食や市販の弁当頼りでは、不経済で栄養も偏ってしまいがちです。

一人だからと洗濯や掃除をさぼると、せっかく好きなインテリアを揃えても、洗濯物が山になっていたりゴミがたまってしまったり……。快適な生活と居住スペースを確保するためには、ある程度の家事が必要になります。

病気のときに困る

一人暮らしで切実に困るのは、病気のとき。急に体調が悪くなっても、一人暮らしの場合には看病してくれる人がそばにいません。

他人に気兼ねすることなく自由に過ごせる反面、病気のときに心細い思いをするかもしれない、ということを心に留めておきましょう。

物件を探し始める前に

一人暮らしをすると決めたあと、実際に物件を選ぶ前には、「予算・場所・条件」の3つの項目について整理しておくようにしましょう。

予算

部屋を借りるときには、家賃と管理費のほかに、敷金や礼金、仲介手数料などの初期費用がかかってきます。家賃は収入の30%以下を目安にするとよいといわれています。契約前によく確認して予算に組み入れておく必要があります。

住みたい場所

通学や通勤の通いやすさを優先するなら「交通の便がよい場所」、犬を飼いたいなら「散歩できる公園がある場所」など、住みたい場所をいくつかピックアップしておきましょう。駅の近くは家賃が高く、駅から遠くなるほど家賃が安くなる傾向がありますが、駅から遠くなればその分、通勤・通学時間がかかるでしょう。帰りが遅くなる時は夜道も心配ですね。しかし、駅から遠い方が静かな住環境を得られるかもしれません。

住みたい部屋の条件

前述のメリット・デメリットも参考に、どのような部屋に住んでみたいか、条件をピックアップしましょう。優先順位をつけて以下の4項目を目安に絞っておくと選びやすくなります。

・間取り
・日当たり
・室内設備(お風呂・トイレ・エアコン・洗濯機置き場・オートロックなど)
・周辺の環境(スーパー・コンビニ・病院など)

一人暮らしにおすすめな物件の特徴

一人暮らしにおすすめな物件の特徴を4つピックアップしてご紹介します。

2階以上の部屋

1階の部屋は外部から侵入しやすいもの。1階よりも2階以上にある部屋のほうが、泥棒や空き巣に入られるリスクが減るため、防犯の面で2階以上の部屋がおすすめです。

オートロック付

玄関ドアにオートロック機能やモニターなどの設備がついていれば、さらに防犯の面で安心できます。

エアコン完備

夏場の寝苦しい夜も、安全面を考えると窓を開けて眠るわけにはいきません。また昨今の酷暑では外気だけでは対応できない気温になることもしばしばです。後付けをするとエアコン本体のほかにも工事費がかかり出費がかさむことになるため、エアコン付きの部屋がおすすめです。

近くにコンビニやスーパーがある

一人暮らしになると自炊をすることも増えるため、駅からの通り道にコンビニやスーパーがあると、仕事帰りや学校帰りに食材や日用品を買えるので、かなり便利です。

こんな物件は要注意

治安が心配

最寄り駅から物件までの通り道が暗く寂しく迂回路も無い、また、周辺の治安が心配な場所は避けましょう。

壁が薄く音や振動が心配な部屋(騒音トラブル)

音がどんな風に聞こえるかはぜひとも確認したい項目。中には上の階や隣接する部屋の足音や水音、話し声などの生活音が筒抜けということもありますので、気になる場合は避けた方がいいかもしれません。

線路沿い

もちろん一概に悪いというわけではありません。前項目にもあげたように、物件によって音や振動が伝わりやすい場合、電車の通過音や振動は意外と響きます。駅の近くで通勤や通学に便利そうでも、線路沿いの物件はその点を念頭に置いて検討するようにしましょう。

1階が店舗(騒音・ニオイ・害虫トラブル)

もちろん物件による、と言えるのですが、場合によって客が出入りする際に発生するチャイムの音や、話し声などの騒音・ゴミの臭い・ハエやゴキブリの発生といった害虫トラブルが考えられます。すぐに買い物ができるなどの便利さがある反面、そんなことが起こるかもしれないという想定をして検討する必要がありますね。

一人暮らしの部屋探し まとめ

□事前に、予算・住みたい場所・希望する部屋の条件を整理する
□オートロックやモニターなどのセキュリティはプラスポイント
□周辺の治安・環境をリサーチ!
□騒音などのトラブルが起きそうな物件は要注意

一人暮らしにはメリットとデメリットがありますが、両方を理解した上で情報を整理し、事前の準備をしておけば、いざ物件を探す段階になって、慌てたり迷ったりしないですみます。ご紹介したポイントを押さえて、ぜひ理想の部屋を探してみてくださいね。


※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。