映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(10月12日公開)の完成披露試写会が22日に都内で行われ、阿部サダヲ、吉岡里帆、千葉雄大、ふせえり、松尾スズキ、三木聡監督が登場した。

  • 左から三木聡監督、千葉雄大、阿部サダヲ、吉岡里帆、ふせえり、松尾スズキ

    左から三木聡監督、千葉雄大、阿部サダヲ、吉岡里帆、ふせえり、松尾スズキ

同作は監督・脚本を三木聡が務めるオリジナル作品。驚異の歌声を持つロックスター・シン(阿部)だが、実は彼の歌声は、「声帯ドーピング」というタブーな方法によって作られたものだった。限界が近づく喉に焦るシンは、異様に声の小さなストリートミュージシャン・ふうか(吉岡里帆)に出会う。

舞台あいさつには、明治大学応援部が登場し、『音タコ』を応援。キャスト陣も応援団の姿を真似、大きく仰け反りながら「音量を上げ」て、自己紹介した。誰よりも振り切っていた阿部だが、感想を聞かれると「なんすかね、これね……」と素に。「迷いがなくなりました」と心境を明かした。

  • 「タコの口にしてください」という無茶振りに応える阿部サダヲ

    「タコの口にしてください」という無茶振りに応える阿部サダヲ

主演の阿部だが、雨が降るシーンでは三木監督が「顔が面白かったのでカットをかけなかった」ために、口から入ってくる雨に溺れかけたという。「撮影の初日に溺れて死にかけまして、この現場は自分の命を守らなければいけないと気づいてからは、自分の命を優先にしたので、それは良かった」と振り返る。吉岡に「死にそうになったの見てましたよね? こうやって人って死んでくんだと思いました」と語りかけると、吉岡は「そばでサポートしないといけないと思いました」と、新たな気持ちが芽生えたようだった。

一方、吉岡も「カメラマンさんが全速力で走ってきて、私の口の中にカメラを入れるという結構大変な撮影があったり。特殊な撮影が多くて、皆さんと一緒に時間を過ごしたから、今の強さがあると思ってます」としみじみとした。

また、何度もタッグを組んでいるふせと松尾は、今回夫婦役で登場。ふせが「松尾くんとはいろんな現場でやりましたよね。盆踊りの営業とかも行きましたっけ?」と言うと、松尾は「盆踊りの営業は行ってない」と否定し、ふせは「違う人でした、間違えた」と苦笑。さらに「少年刑務所とか行ったりして」(ふせ)、「行かない、行かない」(松尾)と軽妙なやりとりを続け、ふせが「この先も元気で漫談やれればいいなって、先ほども話してたんですけど」と語ると、松尾は「だから言ってないって! こんなにボケる人だったんですね」と絶妙なかけあいを見せていた。