俳優の内野聖陽が主演を務めるテレビ東京系スペシャルドラマ『琥珀の夢』(10月5日21時〜)の追加出演者が21日、明らかになった。
同作は、伊集院静による長編小説『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』をドラマ化。日本の洋酒文化を切り拓いたサントリー創業者・鳥井信治郎の人生を描いた作品で、ドラマでは鳥井をモデルにした鳴江萬治郎を主役に夢を成し遂げる物語を描く。
今回明らかになったのは、萬治郎を支える家族・鳴江家の面々。最愛の妻・サト役に檀れい、弟思いの心優しき兄・千恵蔵役に生瀬勝久、萬治郎とサト夫妻の長男・寿太郎役に大東駿介が決定した。
さらに幼少時代の萬治郎役に渡邉蒼、息子思いの父・義兵衛役に中村梅雀、母・ちよ役に名女優・原田美枝子など、若手から実力派まで多彩なキャストが集結。親子・兄弟・夫婦の絆も見どころとなっている。
壇れい コメント
明治・大正・昭和と日本が変化していく時代に、主人公・萬治郎の夢を叶えるエネルギーの強さに圧 倒されました。そして台本を読み進めていけばいくほど、萬治郎の熱い思いと人に対する優しさに触れ、溢れる涙が止まりませんでした。そんな萬治郎の奥さん役を演じさせていただくことは、この上ない喜びであり、少しでも良い作品になればと撮影に臨みました。
萬治郎は情熱の塊みたいな人。その萬治郎を演じる内野さんの作品に対する思いも強く、エネルギッシュな萬治郎を表現するために、台本にはないアドリブやアイディアをリハーサルでされます。それは私が驚かされることばかりでしたが、内野さんがシーン1つ1つをどのように演じられるのか、ワクワクする日々でもありました。そんな内野さんのお芝居に寄り添えるよう、温かく夫を支える妻であるよう、私も1つ1つのシーンを丁寧に演じました。1人の日本人の生き様を熱く描いた物語。観ていただければ、きっと誰もが萬治郎に惚れ、誇りに思うはず。今を生きる人々の胸にも響く「琥珀の夢」をぜひご覧ください。
生瀬勝久 コメント
このドラマは大阪が舞台。僕は関西出身(兵庫県)なので、モデルとなった企業にはもともと親近感があったのですが、意外と知らないことも多かったので、それを知るいい機会になりました。千恵蔵にとって萬治郎は自慢の弟だったと思いますね。自分にないものをたくさん持っていて、自分では二の足を踏むことを、彼ならば突き進んでやってくれる。それを見込んでいたからこそ、お金を渡して自由にさせた。萬治郎も千恵蔵に感謝していたと思います。みんな同じじゃなくて、いろんな人がいたからこそ、この家族は幸せだったんじゃないかと思います。
内野さんとは彼の初舞台『女たちの十二夜』で共演して以来、約20年ぶりの共演でした。同じ作品に出たことはあるのですが、お芝居での絡みがなくて、久々の共演が不安でもあり、楽しみでもありました。ドラマとしては初共演作と言えるかもしれません。僕は普段からあまり役作りをしないので、今回も内野さん演じる萬治郎に対して千恵蔵がどうサポートし、叱咤激励するのかという関係性だけで演じました。彼の関西弁のサポートも含めて。そういう関係性はよかったと思いますね。内野さんはああやろう、こうやろうという言葉ではなくて、“変化球を投げるけど受けて返してね”みたいなことが感覚的にできる俳優さんなので、一緒にお芝居ができて楽しかったです。「琥珀の夢」は、このキャストでしかできないドラマ。萬治郎の立身出世を温かく見守り、楽しんでいただけたらと思います。
大東駿介 コメント
時代を作る意識、時代を変える意識、時代を背負う意識を主人公・萬治郎に感じたと同時に、何もないところから何かを生み出す時代のエネルギーの力強さに感銘を受けました。今の時代には経験できない、その時代ならではの熱量を体験できるのが役者の醍醐味。今回、そうした時代の物語というのはもちろん、内野さんと再共演できることが何より楽しみでした。内野さんは演じる人物の命の熱量をとても大事に演じられる方。ハっとさせられるようなことも多いので、一緒に演じていて気持ちがいいです。寿太郎から見た父・萬治郎はドエライ人。こんな人が傍にいたら、周りの人の人生も変わるだろうと思いますね。
意識していたのは“親父の背中”、それに尽きます。萬治郎の生き方は、とにかく破天荒。成功するかどうかわからない大きな賭けに勝算をもって挑めるってすごいと思うんですよ。自分がこうあるべきだと思うことに対して、ひたすら突き進む生き方をする教訓のような男。そんな人の息子ってどんなだろうというのはすごく意識して演じていました。ウイスキーひとつに、こんなにもドラマチックな物語がある。この作品を通して、モノづくりの原点や、生きるとは何ぞやというのを感じました。そして、お酒ってロマンチックだな、とも。こうした背景に目を向けると、自分の周りに当たり前にあるモノの景色が変わってくると思うので、新しい時代に向かう中で、このドラマが僕たちの時代の基盤はどこにあったのかということを見直すきっかけになればと思います。