BS時代劇『雲切仁左衛門4』(9月7日スタート 毎週金曜20時〜)の第1話試写会が20日、東京・渋谷のNHKで行われ、続けて開かれた会見に、主演の中井貴一と共演の國村隼、内山理名、永山絢斗が登壇した。

  • 左から内山理名、中井貴一、國村隼、永山絢斗

    左から内山理名、中井貴一、國村隼、永山絢斗

池波正太郎の同名小説を原作に2012年にスタートした同シリーズ。原作の内容はシーズン2までで描き切っており、シーズン3からは池波正太郎の小説は原案としてクレジットされ、物語はオリジナルで展開している。シリーズを通じて中井演じる盗賊・雲霧仁左衛門率いる雲霧一党と、國村演じる宿敵の火付盗賊改方長官・安部式部が火花を散らし、シーズン4では、「吉宗のご落胤事件」と「老中ぐるみの米価の操作」で揺れる大江戸が舞台となる。

「4までこられるとは正直、思っておりませんでした。時代劇が少なくなっているなか、続けていく勇気を持つことは、のちの僕たちの仕事、世界にとってとても大事だと思っています。また、『雲霧仁左衛門』のような悪が主役になっている話というのは、エンターテインメント性があって面白いのではないかなと思ってやってきました」と中井。

さらに「盗むという行為はいけないことです。でも、その中に秩序を持たせるという仁左衛門の統率の仕方は、変な言い方ですけど理想のリーダー像に僕には見えています。彼の持っているポリシーのようなものを心に響かせながら演じてきました」と続けた。

仁左衛門の宿敵を演じる國村は「式部は体制側で、仁左衛門はアウトサイダーです。しかし、人間としてはお互いにシンパシーを感じていると思うんです。おそらく時代やシチュエーションが違ったら、酒を飲みながら延々と語れるような友人関係になれたんじゃないかな」と分析しつつ、「式部が仁左衛門を捕まえてしまうと、話が終わってしまうので、だんだん『トムとジェリー』みたいになってきたなという思いもあります。仲良く喧嘩しなみたいな」とユーモアを交えながら、「でも見てくださる方にはドキドキしていただきたいですね」と話した。

仁左衛門を密かに想い続ける七化けのお千代役の内山は「このシリーズの現場は、アットホームではあるのですが、毎回、緊張します。緊張感のある現場というのは役者にとっても少なくなっていて、とてもありがたく思っています」と語り、「よく仁左衛門とお千代の関係はどうなるの?と聞かれるんです。4の最後に、お千代の気持ちが表に出てしまう場面がありますので、そこも見どころです」と終盤の展開を匂わせた。

そして八代将軍“吉宗のご落胤”と称する天一坊役でシリーズ初参戦の永山は、「雲霧シリーズは2まで見ていて、とても好きな作品でした。(オファーは)嬉しかったと同時に緊張感もありました。中井貴一さんとは初対面だったんですが、中井さんの役者としての深みを感じようと、現場でじろじろと眺めていました」と告白し、笑いを誘った。