帰宅して玄関前であちこちのポケットやかばんの中をがさごそして、「あれ? 鍵が見つからないな……もしや無くした!?」と焦ってしまう経験をしたことがある人も多いのでは無いでしょうか。なんか自分は毎回鍵を見失いがちだなぁ……という
人も少なくないのでは。今回は、鍵の取り扱いといざ無くした時の心構えを、不動産・住生活ライターの高田七穂さんにお話を聞きました。
Q 毎日玄関前で鍵が見つからず、「なくしたのでは」と思うことが多いです……。毎回ヒヤっとしてしまいます。また、もし本当になくしたらどうすればいいですか?
A 普段から鍵の扱いを意識し、さらに本当に無くしたときのために備えておきましょう!
「鍵をなくしてしまった!!」と、玄関前で慌てふためいてしまうことは、誰にでもあります。ですが、一人暮らしでは、部屋に入れなくなるので、緊急事態と言えるでしょう。
まずは、そうならないために、普段からクセをつけておきましょう。たとえば、浅めのポケットに入れるのはやめる、外出時もときどき鍵があるかを確かめる、など。万一を考えて、実家が近ければ一つ置いておく、信頼できる友人にもう一つ預けておくなどの方法もあります。
ここで、避けたいのは、郵便受けなど室外に鍵を隠しておくこと。「誰にもわからないだろう」と思うのはちょっと甘い考えです。泥棒は直感的に保管場所を嗅ぎ付けます。絶対にやめましょう。
もし、「なくしてしまった!」と思ったら、まず何回か深呼吸。落ち着いてきたら、その日の行動をじっくり振り返りましょう。行ったところを思い出し、連絡できそうなら電話をします。手持ちのものはすべて取り出し、すみずみまで探しましょう。それでも見つからなければ、最寄りの交番に行きます。万一にも、届けられているかもしれません。届けられていなくても、住所がわかるものと一緒になくしてしまったら、室内に入られる可能性があります。鍵に限らず、大事なものを落としたら、交番に行き、「遺失届出書」を提出することを覚えておきましょう。
さんざん探しても見つからないときは、鍵開けの業者を呼ぶしかありません。ここで、スマホで業者を調べられるほどのバッテリーは残っているでしょうか。普段から、信頼できる業者の連絡先を登録しておくのも一法です。業者と連絡がついても、実際に来て部屋が開くまで少し時間を要します。夜遅い時間であれば、女性の場合は周囲に気を付けて待ちましょう。
ところで、なくした鍵がお店など外部で見つかったらどうすればよいのでしょうか。取りに行くのはもちろんですが、その後、玄関の鍵は取り換えましょう。費用は自分で払うことになるでしょうが、手元を離れている間に合い鍵を作られている可能性がゼロではないからです。住所を知られていなくても、鍵は一度、人の手に渡っていますから、どこでどうなるかはわかりません。
鍵を取り換える場合は、事前に大家さんや管理会社に伝える必要があります。その際、正直に「鍵をなくしてしまいました。こちらで取り換えようと思いますがいかがでしょうか」と伝えましょう。大家さんや不動産会社が、鍵の種類や依頼する業者を指定することがあるかもしれません。どういう手順があるのか聞いてみましょう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
高田七穂(たかだ なお):不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォームなどを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。書籍に『最高のマンションを手に入れる本』(共著)『マンションは消費税増税前に絶対買うべし!?』(いずれもエクスナレッジ)など。