お菓子や海苔の箱に入っていたシリカゲルはどうしてる?小さくても乾燥剤として使えるから、捨てないのが正解。「えっ、ここに使うの!?」といった意外な使い方を取り入れて、部屋じゅうのカビ予防に役立てましょう。

乾燥剤の豆知識

シリカゲルというのは二酸化ケイ素で、見た目は粒状になっているものですが、素材表面に無数の穴が空いた多孔質になっているため、湿気を吸着してくれるのです。その吸湿状態が目で見て分かるように、粒の色が青色からピンクや赤色に変化するものがあります。再利用したいときには、袋から粒を取り出して天日干しをしてみましょう。赤色から青色に戻れば、また使うことができます。

その方法で再生しないときには根気がいるのですが、次のようなやり方を試してみてください。ごく弱火にかけたフライパンでゆっくりとゆすりながら水分を飛ばして、青色になるまで加熱。十分に冷ましてから、不織布のお茶用袋に入れたり、量が多い時には不織布の袋や目の細かい洗濯ネットを使ったりしましょう。

ちなみに、白い粉状の乾燥剤は酸化カルシウムなので、吸湿すると消石灰になり再利用はできません。また、シート状のものや脱酸素剤という袋入りのものは、還元鉄の粉なので使い捨てになります。

捨てずに使える

袋や箱にシリカゲルが残っていたら、今日からは密閉容器に入れて保管しましょう。家のあちこちで使えるので、その一例を紹介します。

  • 袋から取り出したシリカゲルをガラス瓶に入れて下駄箱へ
  • ブーツや靴を入れている箱や袋の中に
  • 冠婚葬祭用のバッグと一緒に
  • 皮革のコートを掛けたハンガーにピンチで吊るして
  • ダウンジャケットと一緒に衣装ケースの中へ
  • 洗面所のキャビネットの中で
  • カメラと一緒にケースの中へ
  • 銀製のアクセサリーやカトラリーの保管に

シリカゲルを使って保管すると、湿気による不快な臭いと変色の予防にも効果があります。

シリカゲルシートでパリッと乾燥

市販の大判サイズのシリカゲルシートの大きさを活かせば、クローゼットや押し入れ内の乾燥剤として使うことができます。シートそのものは大きいのですが、シリカゲルがひとコマずつ区切られているので、使いたい大きさに合わせてハサミでカットしてもOK。しばらく使っているうちに湿気を帯びたら、天日干しをすれば再利用可能。何度か繰り返し使えるので経済的です。

意外な活用法としては、ベッドマットあるいは敷布団とシーツの間にシリカゲルシートを挿入。そのまま普段通りに就寝するのですが、シリカゲルの粒のせいで少しシャリっとした感触はあるものの、慣れてしまえばその乾燥力に感謝したくなるはず。布団を外干しできないことがあっても、湿気を飛ばしてくれます。

また、湿気がこもりやすいクローゼットや押し入れ、戸棚、下駄箱内の壁に押しピン留めしたり、棚に敷きこんだりするのもおススメ。スカートハンガーでシートを吊り下げれば、クローゼットの湿気予防に。今日着た服や雨に濡れた上着を、シリカゲルと一緒に吊るしておくだけでクイック乾燥。手軽にできるから使わない手はありませんね。

すはらひろこ
整理収納アドバイザー認定講師・一級建築士・インテリアコーディネーター。インテリアのプロならではの収納術が、オシャレでやる気がわくと好評。片付け講座を定期開催するほかテレビ・雑誌でも活躍。著書「シンプルに暮らす 無印良品で片づく部屋のつくり方」(エクスナレッジ)、「朝、着る服に迷わないハッピー収納術」(大和書房)、「1分からはじめるかたづけ術」(だいわ文庫)など著書・監修書多数。http://ouchisuteki.com/