ビジネスマンにとって、接待に使う店のチョイスは腕の見せどころ。クライアントをどんな店にお招きしようか、日頃から頭を悩ませている人に紹介したいのが、神田にある「日本料理 やしま」だ。

大切な接待に心強い一軒

神田駅から徒歩3分、大きな路面沿いに、凛とした佇まいの看板が出ている。「日本料理 やしま」は、2018年6月18日に開店した日本料理店。近辺の企業に接待向けの店として利用してもらうことを想定しており、完全予約制で個室が4室用意されている(カウンター席もあり)。大手町、丸の内、日本橋あたりからも足を運ぶビジネスマンも多いという。店内は清潔でとても落ち着いた雰囲気で、都会の喧騒から遮断され特別な空間にいることを感じさせてくれる。

  • 新店の清廉さと風格を兼ね備えた店内

  • 入口付近の個室。壁に掛けられた書は料理長が交流を持つ片岡鶴太郎氏のもの

店主・料理長は、新宿伊勢丹の「正月屋吉兆」 で料理長を務めていた丸山芳紀さん。約40年間、吉兆で磨き上げられた熟練の技を味わうことができるということもあり、開店以来連日予約が入っているとのことで、2名から多いときで12名ほどの利用ができるフレキシブルな対応も人気の理由のようだ。

  • 料理長の丸山芳紀さん。料理からも誠実なお人柄が伝わってきました

コースは9,504円、11,880円、17,820円、23,760円(すべて税込み)と4つの価格帯が用意されている。料理の特色について丸山料理長に伺うと、「なるべく素材を壊さずに、持ち味を生かすこと」を考えているという。

出汁ひとつについてもそのこだわりは深く、「“お出汁を取る”と言いますが、私は“お出汁を引く”と言っています。余計なものを取り込まないということなんですよね。ちゃんとお出汁を引けば、塩と醤油だけで美味しいものができあがるんです。それは吉兆で教えられたことであり、一途にずっと守り続けています」。そう語る丸山料理長からは、40年間で培ってきた料理人としての誇りが感じられた。

料理は味も見た目も申し分なし

今回、コースの中から、いくつかの料理をいただいた。まずは前菜の酢の物をご提供いただいたのだが、朝顔をイメージしたという美しい器、盛り付けに惚れぼれとしてしまった。

  • 盛り付けはもちろん器の美しさも目を見張る。こちらは朝顔をイメージしている

蛸を細かく刻みさっと湯通しした「蛸ちぢれ」とオクラ、土佐酢、はじかみ生姜と和えられたおり、さっぱりとした中にもコクと旨味がギュッと詰まった一品だ。北海道産の水蛸の吸盤が大きめの切られて入っており、コリっとした食感も楽しめる。

  • さっぱりとしていて、それでいてコクがある酢の物

丸山料理長曰く「日本料理の核となるもの」だというお椀では、今が旬の鱧と秋田産のじゅんさいが味わえた。柔らかい鱧の身と、じゅんさいのツルっとした食感、ほのかに香る柚子を感じながら出汁の美味しさをじっくり堪能。

  • 今が旬な鱧の椀はホッとする優しい味わい

匠の業が感じられる品々

透明な器も涼しげな「季節の八寸」では、ほおずき、いくら、厚焼き玉子、鳥のミンチにレーズンと胡桃を混ぜて焼いた「松風」、子持ち昆布、枝豆、ほおずきの中に山桃入ったもの、さつまいもの甘露煮、とうもろこしといった、夏を感じさせる食材が並べられている。

  • 彩り豊かな食材に心が安らぐ

  • 子持ち昆布のプチプチした食感は日本料理の楽しさのひとつ

どれも彩り豊かで見た目にも美味しいが、中でも山芋を蒸して裏ごしたものと、茹で卵の卵黄を裏ごしたものとを合わせ、レモンとフロストシュガーで味付けしたものに海老を乗せた「海老御膳寿司」は、小さな料理にも真心を込めて作り上げる、和食ならではのおもてなしの心が感じられた。

  • 「海老御膳寿司」。この小さな海老の中には熟練の調理技術が存分に発揮されている

また、埼玉県蓮田市にある「神亀酒造」の日本酒を中心として、厳選された日本酒、焼酎、ワインも用意されている。丸山料理長は、伊勢丹の地下にある「和酒おもてなし BAR」で、日本酒の蔵元が持ってきた酒に合わせた料理を毎週作っていたとのことで、料理に合う酒にも精通しているところもおすすめしたいポイントだ。カウンター席で料理長の熟練の技を眺めつつ、美味しいお酒を傾ける楽しさもある。

綺麗な個室で見た目にも美しい料理を心ゆくまで堪能でき、大事な商談に利用するにはもってこいの「日本料理 やしま」。ワンランク上の接待に、また、家族や友人との特別な時間に、是非利用してみてほしい。

●information
「日本料理 やしま」
東京都千代田区内神田3-4-11
千代田共同ビル1F
03-3253-3029
営業時間:17~ 23時(L.O 22時30分)
定休日:日・祝