Appleは、突如として幹部ページの写真を、全て絵文字化した。正確に表現すれば、iOS 12の新機能、自分の顔の絵文字を作ってTrueDepthカメラでアニメーション化できる「Memoji」に、役員全員の顔写真を差し替えたのだ。これは7月17日の、世界絵文字デーを記念して行われたものだった。

  • 世界絵文字デーを記念して、役員ページ全員の顔がMemoji(オリジナルの絵文字)に変更されたAppleのウェブサイト

日本で生まれた絵文字が、2014年から「国際」的に祝われるようになったきっかけは、絵文字の百科事典「Emojipedia」の創設者Jeremy Burge氏の発案によるものだ。

1984年にオーストラリアで生まれ、英国で暮らすBurge氏は、Unicodeの絵文字小委員会の副委員長を務めており、またの名を「絵文字キング」「絵文字卿」と呼ばれている。Business Insiderから、テクノロジー業界の100人にも選ばれた。

世界絵文字デーが7月17日に選ばれた理由は、iOSの「カレンダー」アプリの絵文字の日付が「JUL 17」だからである。Emojipediaのカレンダー絵文字のページを見てみると、AppleとGoolgle、Mozilla以外は、各社思い思いの日付を記念日としている。7月17日を記念日にしているほうが実は少数派なのだ。例えばTwitterは当初7月15日だったが、2015年12月11日にアップデートされたTwemoji 2.0からは3月21日に変更している。7月15日というのはTwitterのサービスが開始された日付だったが、変更後はTwitter社が設立された日付となった。

FacebookのMessengerは8月9日を選んでいるが、この日はiOS/Android向けのMessengerアプリがリリースされた日付。MicrosoftとSamsungは何月だか分からないが「31日」を示している。つまり、1月、3月、5月、7月、8月、10月、12月のいずれか、ということになるが、ここから何かしらの意味を見出すのは難しい。

Googleは当初、何月だか分からないが「12日」を示すカレンダーのデザインだったが、Android 7.1からはAppleと同じ7月17日に変更された。これによって、モバイルプラットホームは一応、7月17日に統一されたことになる形になっている

そもそもAppleが7月17日を選んだのは、絵文字とは関係なかった。MacWorld Expo 2002でSteve Jobs氏が初めてのMac向けカレンダーアプリ「iCal for Mac」を発表した日が7月17日だったからだったのだ。そのこともあって、Appleの日めくりカレンダーのアイコンは伝統的に7月17日を示すことになり、絵文字にもその日付が採用されたのである。

MacのDock内のカレンダーアイコンも、iOS上のカレンダーアプリのアイコンも日付に連動してダイナミックに変化する仕組みとなっている。よって、Macのオリジナルのアイコンデザインを見たいなら、7月17日にチェックすべし、ということになる。