説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『ユーザに気付かれない通知があるってホント?』という質問に答えます。

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はい、本当です。それは「サイレント通知(Silent Remote Notification)」と呼ばれるiOS 7からサポートされた通知機能の一種で、一部のアプリに利用されています。通知ダイアログ/バナーが表示されないため、ユーザレベルではサイレント通知の到着を知ることはできませんが、通知を受け取ったときユーザに意識させることなくなんらかの処理を行う目的で利用されています。

サイレント通知を利用すると、アプリがバックグラウンドで動作しているときでも通知の内容を直接受信できます。それ以外の処理の流れは一般の通知(プッシュ通知)と同じで、通知の許可/禁止に関する設定(「通知を許可」スイッチによる設定)も変わりません。

なんのことやらピンとこないというときには、「つねに最新の在庫数を表示する買い物アプリ」を想像するといいでしょう。オンライン店舗の商品在庫数が刻一刻変動する場合、そのつど通知ダイアログを表示すると大変なことになりますが、なにも表示しなければユーザの迷惑にはなりません。しかも、ユーザが次回アプリを開いたとき(バックグラウンドから復帰したとき)には最新の在庫数をすぐに表示できますから、目的は果たせます。

一般的に、通知は「ユーザの注意を引きつけるために情報を送る」ものですが、サイレント通知は「ユーザに気付かれないよう情報を送る」目的で利用されます。アプリの通知を設定する画面をチェックしても、サイレント通知を利用しているかどうか見分けることはできませんが、この機能を活用しているアプリは少なからず存在します。通知を乱発するアプリが多い現在、もっと活用されていい機能といえるでしょう。

  • 設定画面を見ても区別はつきませんが、ダイアログ/バナーを表示しない通知を駆使するアプリも存在します