12日(19:57~23:09)に放送されるフジテレビ系情報番組『Mr.サンデー あのニュースを総力追跡SP』では、タイ洞窟に閉じ込められた少年らを救出したダイバー全員への世界初のインタビューに成功した。その証言に基づく再現を交え、救出劇の全容を放送する。
今年6月にタイ北部チェンライ郊外の洞窟に閉じ込められ、7月10日に無事救出された少年ら13人の救出劇。彼らを助け出したのは、「洞窟などでけがをした人たちを救助する」ことに特化した能力を持ち合わせているイギリス洞窟救助協会のダイバーだった。
洞窟内のダイビングは“ケイブダイビング”と言われ、浮上しても水面に出ることはできず、水が濁れば自分がどこにいるのかも分からない状態。さらに、今回の洞窟は、箱根・芦ノ湖がすっぽり入るくらいの大きさだった。今回の作業中に亡くなった元タイ海軍のダイバーもケイブダイビングの経験はなかったという。
イギリス洞窟救助協会のダイバーでさえ、通常は「ダイバー4~5人で人1人を救出する」「視野が完全に閉ざされてはいない水中での救助」をしていたが、今回挑んだのは「ダイバー1人が少年1人を救出する」という条件だった。
ダイバーの1人であるリックは、救助のために今回の作戦に参加した医師・ハリーに相談。リックの作戦は、“眠った状態”の少年にマスクを着け動かない状態にし、1人のダイバーが運ぶというものだったが、当初、医師は反対。しかし、極限の環境で少年たちにパニックを起こさせない唯一の方法だとリックは考え、誰も経験したことが無い未知の救出作戦が始まった。そんな中、一番の難所で恐れていたことが発生していた。
雨季のタイで、洞窟の水位は日ごとに刻々と増していたため、必死の排水作業を実施。しかし、雨が降り続く中、いくら排水をしてもなかなか排水の効果が見られなかった。そこで、地表のどの地点から、洞窟に雨水が流入しているのかを突き止めるため、JICA(国際協力機構)のタイ事務所が、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と連携し、衛星データから作った高精度の地図をタイ当局に提供。救出劇の裏で、日本人たちも奮闘していた。
今回、ダイバー全員の取材にあたったフジテレビのディレクター、メイズ・ジョナサン氏は「実は(救出の中心的な人物だった)ジョン、はBBCの取材以来、海外メディアの取材は一切受けていなかったので、半ばあきらめていたのですが、帰国の直前で、取材ができることになり、帰国の日程を変更して取材できたんです」と背景を明かしながら、「取材を通して、この救出がダイバーたちにとってもどれだけ危険だったのかよくわかったのと同時に、その強烈な責任感に心を打たれました。彼らが“自分たちはヒーローじゃない”と話していたことも印象に残りました」と語る。
フジテレビの宮下佐紀子チーフプロデューサーは「一種、賭といってもおかしくない救出を行ったダイバーたちの強烈な使命感と自負心は、詳細を聞けば聞くほど、ニュースだけではわからない、取材をしたからこそわかるものでした。そもそもケイブダイバーは、洞窟という“未知”な世界にあこがれた人たち。そんな彼らが、今回、誰もやったことのない救出作戦に挑んだチャレンジ精神とチームワークを、この夏休みに是非、家族で見てほしいと思います」と話している。
この日の放送では他にも、西日本豪雨で浸水した倉敷市真備町で「その時何が起きていたのか」を約100本の映像、1400枚の写真で検証。さらに、50億の資産を残した紀州のドン・ファンを超える1兆1800億円の資産を残して死んだ香港の女性企業家、ニナ・ワンの巨額遺産を巡る壮絶な争いの顛末を紹介する。
(C)フジテレビ