カシオ計算機の製品を作っている工場において、日本国内の拠点となっているのが山形カシオだ。この度、比較的リーズナブルな普及価格帯(だいたい10,000円以下)の腕時計を製造する「自動の組み立て生産ライン」の稼働が始まった。

  • 山形カシオ「時計の自動組立ライン」

    山形カシオで稼働が始まった、時計の自動組立ライン

これまで、山形カシオでは、普及価格帯の腕時計を人間が手で組み立てていたが、新ラインによって時計内部のモジュールから時計本体の組み立て工程をすべて自動化。生産効率は3倍に向上し、生産コストも従来の半分以下になるという。生産能力としては、1日8時間の稼働で従来と同等の月産10万個を見込む。稼働時間は柔軟に延ばせるため、需要に応じた増産にも対応可能としている。

新ラインで生産する時計は、1989年から販売しているスタンダードシリーズ「A159WA」だ。シンプルなベースデザイン、豊富なカラーバリエーションなど、世界中でロングセラーを続けている。

  • カシオ「A159WA」

    A159WA

現在は「時計本体」の組み立て自動化だが、今後はバンドの取付や梱包まで自動化を進めていく。一層の生産コスト削減を図り、“メイド・イン・ジャパン”の製品に対する高いニーズに応えるとしている。

なお、山形カシオには「Premium Production Line」(PPL)という生産ラインがあり、高い技術を持ち、かつ厳しい認定試験をクリアした熟練の“マイスター”たちが時計を組み立てている。基本的にPPLのライン上には、認定を取得しないと立ち入れない。PPLでは、G-SHOCKのMR-G、OCEANUS、PRO TREKのMANASLU(マナスル)といった、高級ラインの時計を組み立てている。