「土鍋で炊いたごはんは美味しい」とよくいわれており、「土鍋で炊いたごはん」を名物メニューにしている和食のお店も少なくありません。どうして美味しいのでしょうか。炊飯器の内釜に土鍋を採用しているタイガー魔法瓶が開催した、土鍋ごはんに関する勉強会に参加してきました。

  • 土鍋圧力IH炊飯ジャー「炊きたて」(JPH-A101)

  • タイガー魔法瓶の辻本篤史さん

教えてくれたのは、タイガー魔法瓶 ソリューショングループ 商品企画チームの辻本篤史さん。メインで登場する炊飯器は、内なべ(内釜)に本物の「土鍋」を使っている、上位モデルの「JPH-A101」です。辻本さんによると、土鍋で炊いたごはんが美味しい理由は次の3つ。

  • 蓄熱性が高く、高火力で炊きあげる
  • 金属製の内釜ではできない細かな泡立ち「土鍋泡」を発生する
  • 効率よく温められる遠赤外線を放出する

土鍋で鍋料理をすると、火から下ろしてからも長い時間ホカホカなので、土鍋が蓄熱に優れているのはわかります。でも、「土鍋泡」ってなんでしょうか。土鍋は沸騰時に細かい泡を大量に発生させ、これが「土鍋泡」。土鍋製の内釜を使った炊飯器の場合、土鍋泡が米のひと粒ひと粒に熱を均一に伝える役割をし、むらなくふっくら炊きあげます。

  • 電源を切っても「土鍋泡」は発生したままですが(写真左)、金属製の内釜は沸騰が止まっています(写真右)

さらに、土鍋は蓄熱性が高いので、電源を切っても沸騰状態を保つという特性があります。通常、電気炊飯器の炊飯では、一時的に電力をオフにして調整するタイミングがあります。これは「吹きこぼれ」を防ぐためですが、お米に熱を加える均一性が多少なりとも損なわれます。

土鍋製の内釜なら、電力を調整するときも沸騰状態を維持できるため、連続した沸騰によって、お米のねばりや甘みが引き出されるといいます。沸騰が続くといっても、吹きこぼれるほど激しい沸騰ではありません。

  • 沸騰状態の維持と、土鍋泡が大きなポイント

勉強会では、金属製の内釜と土鍋製の内釜を使って沸騰の様子を再現しました。沸騰したのち電源をオフにしたところ、金属製の内釜はすぐに沸騰がおさまったのに対し、土鍋製の内なべは30秒近く沸騰状態が持続していました。

  • 金属製の内釜で激しい対流を起こすと、コメ同士がぶつかって傷がついてしまうことがあります。土鍋製の内釜を使ったJPH-A101は、高火力と細かな泡立ちでコメ同士が傷つけあうことを防ぎ、甘みや旨みを米粒の中に閉じ込めます

  • 美味しい試食に、マイナビニュース・デジタルの林編集長も嬉しそう

  • 混ぜると、底の方からおこげがあらわれました

土鍋で炊いたごはんは高い火力で炊きあげるので、おこげができるの点も魅力のひとつ。香ばしさが食欲をそそります。JPH-A101で炊いたごはんを食べてみると、もっちりとした歯ごたえが印象的。

炊いたあと3時間ほど経過したごはんもあわせて試食しましたが、個人的には炊きたてのごはんのほうが香りと甘みがよく、美味しく感じました。「海宝漬」や「いかの塩辛」といった、ねっとり系の“ごはんの友”が合いそうな食感のごはんでした。