小田急箱根グループは1日、箱根エリアにおいて2018~2020年度にかけて乗り物の新造や駅舎改良をはじめとする総額100億円規模の大型投資を順次開始すると発表した。
今回の大型投資により、日本国内や世界各地から訪れるゲストにより楽しく快適に箱根を周遊してもらい、「特別な想い出」として心に残る経験の手伝いをすることで、今後も箱根エリアの発展に貢献するとしている。
3つのポイントに分けて投資内容を説明しており、「もっと乗りたくなる箱根」では、箱根観光船による新型海賊船の建造、箱根ロープウェイによる新型ゴンドラの導入、箱根登山鉄道による箱根登山電車新型車両「アレグラ号」の追加導入、箱根登山電車2000形の更新、箱根登山ケーブルカーの更新、箱根登山バスによる路線バス車両の増車と更新を実施するとのこと。
箱根観光船の新型海賊船は、あたたかみのある木材を床から天井まで贅沢に使い、調度品も細部までこだわってクラシック感を演出し、船体の色は湖面に映える上品な黄金色を採用。内外装のデザインは、居住空間作りに定評のあるドーンデザイン研究所が担当する。箱根ロープウェイは早雲山~大涌谷間において、安全性能に優れたCWA製の最新型ゴンドラ「TARIS(タリス)」を日本初導入。扉開口部を大型化して乗客の乗降りの際の安定感が向上するほか、ゴンドラのガラス面の拡大によって一層パノラマビューが楽しめる。
箱根登山電車新型車両「アレグラ号」は2019年2月に2両、2020年に2両固定編成1編成を追加導入する予定。増備によって車両運用を円滑化し、繁忙期には全列車を3両編成で運転する。箱根登山電車2000形は車体の更新時期を迎えることから、2両固定編成2編成を対象に制御装置を更新するとともに、空調装置の搭載場所を室内から屋根上に変更し、車内空間の拡充を図る。2021~2022年頃の営業開始を予定している。
「もっとまわりたくなる箱根」では、箱根登山鉄道と箱根ロープウェイによる早雲山駅舎の改築および改修、箱根登山鉄道による箱根登山電車各駅の改築、箱根強羅公園の体験工芸館「箱根クラフトハウス」リニューアル、箱根ロープウェイによる大涌谷駅待合室の新設、箱根登山バスによる箱根キャリーサービスの運搬車両増強を実施する。
早雲山駅舎の改築および改修は、箱根登山ケーブルカー駅舎部を建て替えるとともに、箱根ロープウェイ既存駅舎と一体化して駅機能の強化を図る。バリアフリーなど乗換え機能強化に加え、大文字焼きが行われる明星ヶ岳や遠く相模湾を一望できるテラスに足湯も設置する予定となっている。
「もっとわかりやすい箱根」では、箱根登山バスによるバスロケーションシステムの導入、小田急箱根ホールディングスによる情報媒体の多言語対応強化を実施。情報媒体の多言語対応強化では、訪日外国人の方にわかりやすく観光情報を提供するため、ウェブサイトや多言語パンフレットの充実を図る。