川崎重工は30日、同社の米国現地法人「Kawasaki Rail Car, Inc.」を通じて、ニューヨーク・ニュージャージー港湾局トランスハドソン公社より、通勤電車「PA-5」72両の追加製造と現在運行中の同車両350両のオーバーホール工事を受注したと発表した。

  • トランスハドソン公社の通勤電車「PA-5」

今回受注した72両は、2009~2012年にかけて同社が納入した「PA-5」350両の増備車両となる。車体はステンレス鋼製で、長さ15m、幅2.8m、高さ3.6m。8両編成で運行する。

構体製作はネブラスカ州のリンカーン工場、機器取付・最終組立と機能試験は同工場とニューヨーク州のKRCヨンカース工場の2カ所で行い、2021~2022年に納入する。納入後はニューヨークとニュージャージーを結ぶ通勤路線に投入される予定。350両のオーバーホールは、ヨンカース工場で2018年から6年間をかけて順次実施する。受注総額は約2億4,000万米ドル(約266億円)。

川崎重工は今回の発表の中で「継続する米国の経済発展に伴う利用者の急増への対応を要するなかで、当社製の『PA-5』が快適な乗り心地と高い信頼性を誇り、利用者から高く評価されている」ことが追加製造とオーバーホールの受注につながったと説明。現在、トランスハドソン公社が運用する電車はすべて川崎重工製で、オーバーホールもすべて同社が受注しているという。