総合スーパーを手がけるユニーは7月27日、「アピタテラス横浜綱島」「アピタ長津田」「アピタ戸塚」(神奈川県横浜市)の3店舗にコイン換金機「コインスター」の設置、サービス開始を発表。アピタテラス横浜綱島で、ユニーの佐古則男社長、米国・コインスター社のジム・ギャリティCEOが記者発表会を行った。

  • ユニーの佐古則男社長(左)、米国・コインスター社のジム・ギャリティCEO

コインスターはアメリカで誕生した硬貨を紙幣に交換できるサービスで、現在は北米・欧州の9カ国に約2万台を展開。年間で約7,000万件、3,450億円相当の両替がされており、日本での設置は今回が初めてとなる。

  • 硬貨を紙幣に交換してくれる

  • コイン換金機「コインスター」

毎分600枚の速さで硬貨の枚数・金額を算出

コインスターは毎分600枚の速さで硬貨の枚数、金額を算出。利用者はマシンに硬貨を投入し、画面に表示された合計金額を確認後、発行される引換券をサービスカウンターに持っていくと紙幣に交換してもらえる。手数料は一律で投入金額の9.9%。紙幣に交換できない1,000円未満の端数についても、手数料は発生する。

  • 硬貨投入口

  • 硬貨を投入

  • 画面に表示された合計金額を確認

  • 取引完了

  • 発行される引換券をサービスカウンターに持っていく

銀行で硬貨から紙幣に両替する場合、枚数に対して手数料が計算されるが、コインスターは投入金額に対しての計算となる。そのため直接比較はしづらいが、1円玉をはじめとする単位の小さい硬貨を大量に両替する場合は、コインスターのほうが得するケースも多くなるだろう。また、コインスターの利用可能時間は、設置施設の営業時間に準ずるため、週末や夜遅い時間に利用できることもメリットとなる。

海外ではギフト券やポイントなどに交換できるサービスも展開されているが、いまのところ日本では紙幣への両替のみに対応。質疑応答では、ギフト券への交換導入や、交換商品によって手数料を引き下げる施策を行う予定はないかと質問も出たが、ユニーの佐古社長は「利用状況、お客様のご意見を踏まえて考えたい」と、しばらくは様子見をする構えだった。

また、横浜市内の3店舗から導入を始めたことについては、単純に足元人口の多さで決めたとのこと。他の店舗への導入に関しては「3店舗の動向を見て広げていきたい」と慎重だったが、「かなりマーケットは大きいのではないかと注目している」と期待を述べていた。

現在、銀行での両替は、キャッシュカードを持っていれば、三菱UFJ銀行が10枚まで無料、三井住友銀行とみずほ銀行は30枚まで無料(両替機は500枚まで)となっている。大量の硬貨を一気に両替したい、銀行の営業時間内は都合が悪いという場合でなければ、コインスターの利用にメリットは見出しにくいが、ユニー側は集客ツールのひとつとして考えていることから、いずれキャンペーンなども行われることが予想される。今後の動向にも注目しておくといいだろう。

  • キャンペーンにも注目