国土交通省は、被災した鉄道の復旧に要する費用の一部を助成する新たな補助制度を8月1日から施行すると発表した。
第196回国会において成立した「鉄道軌道整備法の一部を改正する法律」の施行期日を定める政令および鉄道軌道整備法施行令の一部を改正する政令が閣議決定されたことを受けての発表となった。
被災した鉄道の復旧には、鉄道軌道整備法にもとづき復旧に要する費用の一部を助成する制度もあるが、現行制度では補助の対象が赤字の鉄道事業者に限定されいた。そのため、黒字の鉄道事業者の赤字路線が被災した場合の支援制度がなく、復旧が進まないという課題があった。
新たな補助制度では、「被害を受けた事業者が過去3年間赤字又は今後5年を超える赤字が見込まれること」という要件がなくなり、「被災路線が過去3年間赤字であること」のみが要件となった。これにより、黒字事業者の赤字路線についても補助の対象に追加され、被災した鉄道の早期復旧が期待される。
また、補助の対象となる災害の規模が「復旧費用が路線の年間収入の1割以上」から「復旧費用が路線の年間収入以上」に改定されたほか、原因となった災害が「激甚災害その他これに準ずる特に大規模の災害であること」、長期的な運行の確保として「長期的な運行の確保に関する計画を策定すること(交付基準にて要件とする予定)」という要件も追加されている。
同制度による国の補助率は4分の1。ただし、災害を受けた鉄道の地域の交通手段の状況、事業構造の変更による経営改善の見通しその他の事情を勘案して、国土交通大臣がとくに必要と認める場合には、補助割合を3分の1以内に引き上げることが可能となる。
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