ヘアメディカルグループはこのほど、薄毛にまつわる様々な都市伝説について、最新の医学的観点から検証した結果を明らかにした。同グループの脇坂長興医師が解説している。
今回の検証は、脇坂クリニック大阪及び脇坂ウィメンズヘルスクリニック大阪の院長を務める脇坂長興医師が行った。海水浴やプール、帽子、辛い食べ物など、夏ならではの生活習慣に関連する「薄毛の都市伝説」を中心に解説している。
例えば、「朝シャンは抜け毛のもとになる」という都市伝説は「誤り」だという。頭皮の汚れは紫外線を浴びると酸化され、頭皮と毛根にダメージを与えるため、朝シャンで頭皮の汚れを落とすことには意味があるとのこと。
「マリンスポーツは薄毛を誘発している」という都市伝説については「夏の海は薄毛のリスクあり」と脇坂医師は指摘している。夏の強い紫外線は毛根を支えるコラーゲン層の老化や、皮脂の酸化による毛根へのダメージにつながるとのこと。同様に塩素を含む水は抜け毛の原因になるため、プールに入ると薄毛になりやすいという。
続いて「帽子をかぶると薄毛になりやすい」に関しては、脇坂医師は「帽子は薄毛の発症・進行にプラスとマイナスの効能がある」と指摘。帽子は紫外線を遮断する効果があるが、汗の発散が悪く、頭皮が蒸れて雑菌が繁殖する場合もあるという。蒸れた状態が続かないようなケアが薄毛予防につながるとしている。
また、「辛い物は薄毛の原因になる」とも言われているが、辛い物の代表とも言える唐辛子に含まれるカプサイシンをマウスの背中に注射したところ、発毛効果が得られた実験結果があるという。ただし、辛い物を食べてかいた汗を放置すると抜け毛の原因につながるため、汗のケアは大切とのこと。
さらに「薄毛は遺伝する」については、AGA(男性型脱毛症)の発症には遺伝が最も大きな要素として働いているという。「つむじが2つあると薄毛になりやすい」では、「つむじの数と薄毛は関係ない」と脇坂医師は回答している。
このほか「筋トレし過ぎると薄毛になりやすい」に関しては、既にAGAが発症していると症状の進行が早くなる可能性があるとのこと。また、「体毛が濃いと薄毛になりやすい」については、一概に決めつけることはできないが、男性ホルモン感受性が強いとAGAが進行しやすく、体毛が濃くなりやすいとしている。