JR九州は25日、駅舎の保存修理工事に2012年9月から着手していた門司港駅について、2019年3月にグランドオープンすると発表した。グランドオープンに合わせ、駅の2階に洋食レストラン、1階にカフェがオープンする。
門司港駅の駅舎は1914年(大正3年)に創建され、1988年(昭和63年)に鉄道駅として日本で初めて重要文化財に指定された。現在着手している保存修理工事では、外壁を石貼り風としてモルタルを塗り、屋根に天然の石盤を葺き、大正3年の姿に復原している。途中の時代で失われてしまった屋根まわりの飾りも復原し、1929年(昭和4年)に設置された正面車寄せの庇は取り除く。
門司港駅のシンボルである大時計は、古新聞の調査から1918年(大正7年)に取り付けられたことが明らかになっており、九州初の電気時計という歴史的価値を尊重し、今回は新調することとした。
1階の旧三等待合室は、淡い黄色に塗装した腰壁と天井や白い漆喰壁など、建設当初の内観を復原する。また、構造補強も兼ねたエレベーターを新設し、グランドオープン後はカフェ「スターバックス コーヒー 門司港駅店」として活用する予定。店舗は門司港駅の大正時代の待合室の雰囲気を残しつつ、スターバックスらしい落ち着いた雰囲気の空間づくりをめざすとのこと。
2階の食堂は、こげ茶色のワニス塗装を施した腰壁と天井、白い漆喰壁、シャンデリアなど、建設当初の内観を復原する。グランドオープン後はレストラン「みかど食堂 by NARISAWA」として活用予定。「地元のお客さまに愛され、門司港のシンボルとして誇れる洋食レストラン」をコンセプトに、西洋の食文化と日本の食文化が融合した懐かしい料理、大正時代の駅舎に復原された重要文化財で味わう上質な雰囲気、ていねいであたたかいおもてなしを提供する。
なお、現在仮駅舎にて営業している「みどりの窓口」と券売機は、2018年11月10日から復原駅舎に切替えとなる。