ソニー生命が「社会人1年目と2年目の意識調査2018」を発表しました。初任給の使い道や貯蓄額など、親しい友人でも聞きにくいけれど、みんなはどうしているんだろう? と気になる質問項目が多く、興味深い結果となっています。この調査の中からお金に関する結果をピックアップし、いまどきの新入社員のお金に対する意識を見てみましょう。

初任給の使い道1位は貯蓄、1年目に使ったお金も1位は貯蓄!

かつては初任給の使い道といえば、自分へのごほうびとして買い物をしたり、両親へプレゼントやごちそうをしたり、といった消費に使うのが多数派でした。ところが、なんとイマドキの社会人1年生の1位は「貯蓄をする」で54.6%。

最近は堅実な傾向にありましたが、社会人2年生の42%と比べても大幅にアップ。さらに、財布のひもが固くなっていることがわかります。

そのほか今年の社会人1年生の特徴的なお金の使い方としては、「自分にちょっと良い物を買う」は前年と大きく変わらないのに対し、「親への贈り物を買う」「親をご馳走につれていく」がアップしていて親孝行ぶりがうかがえます。気になる項目は「ローンの返済に回す」が大きく増えている点。就職活動などでお金が必要だったのかもしれませんが、ローンは早い時期に解消してしまいたいものです。

社会人2年生を対象にした、1年目にかかったお金の1位も貯蓄。なんと1年間で46万2,592円も貯めています。毎月3万円、ボーナスから10万円を貯められれば、ちょうどこのくらいの金額になります。このペースで貯めていけば、2年目で貯蓄の最初の目標額100万円を達成できる、極めて順調なお金の貯め方といえるでしょう。

30歳時の目標貯蓄額が1,000万円以上という人は23.4%!

社会人1年目で50万円近く貯められているイマドキの社会人1年生ですから、この調子で貯めていけば500万円程度は十分実現可能な金額といえます。ところが目標はもっと高く、一番多いのは1,000万円以上で23.4%、平均額は602万円という結果です。シングル時代からきちんと貯められる習慣を身につけておくと、将来役に立ちます。しかし、自己投資が将来大きく花開く時期であるのも事実。貯めるだけでなく、使うことも少しは考えていいかもしれません。

30歳時点の目標年収は現実的な金額を想定

貯蓄目標額は高く、良い会社の条件の3位に「給与が高い」がランクインしているものの、30歳時の目標年収は男性474万円、女性408万円で、平均は441万円。国税庁の民間給与実態統計調査(平成28年分)によると、1年を通じて勤務した給与所得者の30~34歳の平均給与は男性456.7万円、女性314.7万円で、平均は403.4万円ですから、かなり現実的な金額を想定しているといえます。

現在の社会人1年生、2年生は、青春時代のほぼすべてをデフレのもとで過ごした『さとり世代』といわれる人々。大きな夢や高望みはない物の、合理性を重視するといわれます。この結果からも、まさに、そんな姿が見てとれます。

  • 鈴木弥生

鈴木弥生

編集プロダクションを経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在はお金に関する雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)。