日中の気温が40度近くなり、"殺人的な暑さ"が続くこの頃。オフィスでも、本格的なビジネスカジュアル、「ビジカジ」シーズンに突入しました。でも中には間違った「勘違いビジカジスタイル」を選んでしまっている人も……。前回の記事では、ビジカジスタイルのおすすめアイテムをご紹介しましたが、今回はビジカジのNGスタイルをイラストで解説していきます。
小説家・吉川英治の言葉に「われ以外みなわが師なり」というものがありますが、ファッションにおいても、NGスタイルから逆説的に素敵な着こなしを学んでいきましょう。
パターン1 ただネクタイを外しただけ
ただ昨日のスタイルにネクタイを外しただけのおじさんも少なくありません。清涼感を意識しましょう。
パターン2 「ここはビーチですか」スタイル
派手なTシャツにサンダル履きという、ラフすぎるスタイル。あくまで会社は働く場所。場をわきまえるのもファッションの大切なポイントの一つです。
パターン3 過剰なディティ-ル
少ないアイテムでおしゃれを詰め込もうとして、アイドルの舞台衣装みたいになってしまっている人。「過ぎたるは及ばざるが如し」ですよ。
パターン4 "ゴルフ帰りおじさん"
会社員で多いのが、「カジュアル=ゴルフスタイル」と勘違いしている人。たしかにゴルフは紳士のスポーツですが、ビジネスではありません。ビジネスはあくまで相手を意識したスタイルが基本です。ゴルフウェアとビジネスウェアの混同は避けましょう。
2012年、スーパークールビズが提唱され、オフィスでのカジュアル化が進められました。それにより、もともとルールが曖昧だった日本のビジネススタイルが、残念ながらさらに「何でもあり」の状態となってしまいました。
しかし、相手があるというのがビジネススタイルの大前提。そこには最低限のルールがあって然るべきではないでしょうか。
「下品な服装は服だけが目につき、上品な服装は人物を引き立たせる」
――ココ・シャネル
筆者プロフィール: たかぎこういち
スタイルアドバイザー。タカギ&アソシエイツ代表。1952年大阪生まれ。若くして輸入服飾雑貨卸業を大阪で起業。その後1998年現フォリフォリジャパングループとの合弁会社取締役に就任して以来、アニヤ・ハインドマーチ、オロビアンコ、リモワ、マンハッタンポーテージ等の海外ファッションブランドを日本市場に紹介、成功させる。
また、「東京ガールズコレクション」「デザイナーズ&エージェント」など国内外のファッションイベントにも参画。現在は日本のビジネスパーソンのファッションリテラシー向上を目指して体系化したオリジナルの「6ポインツ・メソッド」を伝えるべく、「日経DUAL」「WEDGE Infinity」などへの記事執筆や文化服装学院、東京モード学園で講師としても活動中。
著書に「オロビアンコの奇跡」「LIKABLE GUY STYLING FILE」共に繊研新聞社刊「一流に見える服装術」日本実業出版社他。
イラスト:田島 重則