ジャーナリストの池上彰氏が、最近大きな話題になっているニュースの数々、そして今さら「知らない」とは恥ずかしくて言えないニュースの数々を分かりやすく解説するテレビ朝日系『池上彰のニュースそうだったのか!!』。 21日(18:56~20:54)の放送では、海外で恥をかかないためにも「日本の常識は世界の非常識!?」スペシャルと題して、「これは知っておいてほしい!」ことを、背景や理由が面白いものを中心に池上氏が選び解説した。

  • 池上彰

    池上彰氏 -テレビ朝日提供

海外では水道の水が基本飲めないことや車が右側通行であること、チップが必要なことはよく知られているが、実は他にも「日本だけ」とか「日本は少数派」ということがかなり多いという。

その中でも池上氏がイチ押しするネタは「夫婦同姓」だ。日本では120年前の民法の規定により、「夫婦は同姓」と決められており、世界でも日本だけのシステム。テレビ朝日の丹羽敦子プロデューサーは「池上さんはこのネタにとても熱くて、残念ながら放送ではカットしてしまったんですけど、打ち合わせからかなり熱をもって、かつ詳しく語ってくださいました」と明かす。

さらに丹羽Pは「日本でも『事実婚』を選ぶ人が増えているんですけど、その最大の理由が夫婦同姓をとりたくないからだといいます。フランスは結婚しているカップルの今や半分以上が事実婚ですが、これは池上さんによると宗教上の理由がメイン。カトリックは離婚を禁じていることから、法律上の婚姻届を出さない人が多いんだそうです。一方で日本の場合、特に宗教上の理由ではなく、夫婦別姓にするためには他に方法がないから、という理由で事実婚を選ぶ人が多いのです」と説明する。

丹羽Pによると、池上氏は「そのためだけに婚姻届を出せないのは問題ではないかと。ぜひどうするのがいいのか、積極的に考えてほしい」とし、さらに「日本では当たり前、と思っているこの夫婦同姓も欧米の人から見れば時代遅れの男女差別に映るようです。実際に日本は国連から改善勧告も受けています。日本ならではの素晴らしいこともたくさん紹介しましたが、こういった問題点についても番組をきっかけに考えていただければ」と話したとのことだ。

また、取材等でよく海外を訪れる池上氏が、海外に行くときに気を付けてほしいものとしてマスクを挙げた。中国など一部の地域では日本と同じようにマスクを使用しているものの、多くの国ではマスクは「感染症にかかった人がつけるもの」だという。そのため、マスクをして歩いていると、「重い病気にかかっている」と思われてしまうことも。池上氏は「夏休みの旅行、ぜひお気を付けください」と呼びかけていた。

次回(8月4日18:56~)は、「地図を見ればわかる!世界と日本の問題」と題して、お盆のしきたりやトランプ米大統領がしかける中国との関税合戦の行方などについて、池上氏が解説していく予定だ。