JALグループの北海道エアシステム(HAC)は7月18日、航空機メーカーのAvions de Transport Regional G.I.E(ATR)のATR42-600型機3機(確定2機、オプション1機)の発注に関する覚書を締結したと発表した。導入される機体は、最新のATR-600シリーズの高い経済性を生かし、現在運航中のSAAB機を更新し、2020年から運航開始を予定している。

  • HACはATR42-600型機3機(確定2機、オプション1機)の発注に関する覚書を締結

    HACはATR42-600型機3機(確定2機、オプション1機)の発注に関する覚書を締結

HACは現在、SAAB340B-WT型機3機の体制で、札幌(丘珠)空港を拠点に、札幌(丘珠)空港=利尻/釧路/函館/三沢と函館=奥尻の5路線を1日最多26便で結んでいる。

今回の契約に関してHAC代表取締役社長の桑野洋一郎氏は、「新しいATR42-600は広々とした客室が特徴で、居住性が格段に向上します。また冬季の運航実績も豊富であり、寒冷地である北海道での運航にも信頼性が増しています。この新しい機材で、これまで培ってきた安全運航体制のもと、今後も北海道地域のネットワークを維持し、皆さまの生活のため、安全で快適な移動空間を提供します」とコメントしている。

また、ATR最高経営責任者のクリスチャン・シェーラー氏は、「ATRが日本に適した機材であることを目にし、とても嬉しく思います。他の航空機の追随を許さない高い経済性とそれ以上のものを提供することにより、JALグループの支持を得られたことは、私たちの機体が、快適性や環境への配慮、地域交通への貢献などを重要視する先進的な社会に適していることを証明してくれます」とコメントしている。

  • ATR42-600型機とSAAB340B-WT型機の概要

    ATR42-600型機とSAAB340B-WT型機の概要

欧州を拠点にターボプロップ機を製造するATRは、リージョナル航空機マーケットにおける世界的企業。ATRは運航効率の高いリージョナル航空機の設計および製造を行っており、世界約100カ国・200以上の航空会社に採用されている。ATR42およびATR72は、座席数90以下のクラスではベストセラーの機体にあたる。ATRの機材は他社のターボプロップ機と比較して、消費燃費は40%減、フライト当たりのコストは20%減、座席あたりのコストは10%減に抑え、騒音も最低限に抑えられている。

ATRはエアバス・グループとレオナルドという航空業界大手2社が共同パートナーシップを結んだ事業体であり、グローバルで広範なカスタマーサポートのネットワークを有しているため、革新的なサービスやソリューションを世界中の顧客やオペレータに提供することが可能となっている。