エアバスは7月17日(ファーンボロ時間)、LCCのピーチ・アビエーションが発注済みのA320neoを2機、航続距離延長型A321LR(Long Range)に切り替えたことを発表した。これにより、同社はアジアで初めてA321LRを運航する航空会社になる。引き渡しは2020年度を予定している。
A321LRは世界で最長の航続距離を持つ単通路型機で、最大9時間飛行し、日本発の新路線を開拓することが可能となる。記念式典がファーンボロ航空ショーで開催され、ピーチの井上慎一代表取締役CEOとエアバスのエリック・シュルツ最高営業責任者(CC0)らが出席した。
ピーチの井上慎一代表取締役CEOは、「ピーチは日本初のLCCとして、日本における短距離LCC事業を成立させることにチャレンジし、5期連続で増収・黒字を達成するなど、日本の短距離LCCの歴史を築いてまいりました。ピーチは自ら変化を起こし、進化を続けます。ピーチの次なるチャレンジは中距離LCC事業への進出で、2020年度よりピーチが日本と北東アジアの中距離LCCの歴史を築いてまいります。2020年度のA321LR導入は、その歴史を築くための第一歩です。A321LRの導入と中距離LCC事業への参入を弾みに、アジアのリーディングLCC への歩みをより一層加速してまいります」とコメントした。
ピーチは今後、バニラエアを統合し、2020年度以降にA321LRを含む保有機数を50機以上、就航路線数を50路線以上へと事業規模を拡大する。バニラエアをピーチに統合することで、今後さらにピーチは国際線を本格化していく。
また、エアバスのエリック・シュルツCCOは、「世界中で人気の高いA320neoファミリーの最新派生型であるA321LRは、新たにアジアの中距離市場に参入する上で重要な役割を果たすでしょう。アジア市場におけるピーチの成長に寄与できることを確信しています」とコメントしている。
航続距離延長型のA321LRは世界中で人気の高いA321neoをベースにしている。航続距離が最大4,000海里(7,400km)まで延長され、競合機と比較して運航コストを30%削減している。A321LRはドアの新たな配置によって最大240席を装備することが可能。また、A320ファミリーに装備可能なエアバスの革新的客室ブランド「Airspace by Airbus」により、乗客に比類ない空の旅を提供する。
A321neoは最新エンジンと高い空力性能、革新的客室を導入し、2020年までには20%の大幅な燃費削減を実現する。これまでに50社以上から 1,900機以上の受注を獲得し、80%の市場シェアでワイドボディ機と小型機の間の市場において支持を得ている。