現在放送中のスーパー戦隊シリーズ『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』に出演中のパトレン3号/明神つかさ役・奥山かずさが8日、神奈川・港北警察署の「一日警察署長」に就任し、トレッサ横浜にて開催された「夏の交通事故防止運動・振り込め詐欺撲滅キャンペーン」イベントに登壇。イベント後に行われた囲み取材で、その感想について語った。
『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』は、凶悪な犯罪集団ギャングラーに奪われたアルセーヌ・ルパンのお宝・ルパンコレクションをすべて取り戻すために快盗戦隊となった3人(夜野魁利、宵町透真、早見初美花)と、人々の平和と安全を守るためギャングラーと戦う国際警察(警察戦隊)に属する3人(朝加圭一郎、陽川咲也、明神つかさ)の活躍を描く。快盗も警察もギャングラーと戦うヒーローでありながら、その立ち位置の違いから両者は決して交わることがない。時に争い、時に共闘しながら、対照的な2つの戦隊はギャングラーに挑んでいく。第20話からは、快盗でもあり、警察でもある謎の新戦士ルパンエックス/パトレンエックス/高尾ノエルが登場し、彼が両戦隊の間を華麗に行き来することにより、これまで以上に予測不可能でユニークなストーリーが繰り広げられている。そして8月4日からは、『ルパパト』初の劇場版『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーen film(アン フィルム)』が全国東映系劇場でロードショー公開される。
現在、人気タレントや俳優が防犯キャンペーンの一環として「一日警察署長」を務めるイベントは全国各地でひんぱんに行われているが、人々の平和と安全を願って悪と戦う「スーパー戦隊」のヒロインは、まさに一日警察署長に最適な人材といえる。しかも、パトレンジャーはストレートに「警察戦隊」であり、そのマッチング具合は半端ではない。一日警察署長といえば、1975年から1977年まで放送されたスーパー戦隊シリーズの原点『秘密戦隊ゴレンジャー』のモモレンジャー/ペギー松山役・小牧りさが、1976年4月に東京の原宿警察署で「1日署長」を務め、交通安全キャンペーンに多大な貢献を果たした記録が残っている。いつの時代においてもスーパー戦隊の"戦うヒロイン"は子どもたちの憧れの存在であり、40年以上にわたって強い影響力を保ち続けていることがうかがえるというものだ。
奥山は、イベントを終えた感想を聞かれると、「あっという間に終わっちゃったという印象。もっともっと、みなさんの前に立っていたかったという気持ちです」と、イベントのトーク時間が思った以上に短かったとコメントした。時間があれば、どんなことがしたかったか?という問いには「会場に来てくださった大勢の人たちに、私自身のお話をもっと伝えたかった。なので、もし今後もこういう機会があったら、いろいろなお話をしてみたい」と、これからのトークイベントに向けていっそうのトークスキルを磨くべく大きな目を輝かせた。
いつもの国際警察のユニフォームではなく、実在する警察官の制服を着たときの気持ちはどうだったか?という質問には「袖を通したときから、警察官の"責任"みたいなものが芽生えてきました。やっぱり、制服っていうものには意味があるんだなあと思いました。イベントでも話しましたが、警察官になるのは子どものときからの憧れだったので、コスプレとかではなく(笑)、警察官のホンモノの制服を着るというのは、とても名誉なこと。自分の中でも、いい思い出になりました」と、警察官を父に持つ奥山ならではの警察への思いと、制服姿になったときの感慨をしみじみ語った。
今回のイベントに出演する際、実家(青森)の父から何か応援メッセージはあったか?と問われた奥山は「特に何もなくて……。もともと多くを語らない父なので、『ルパパト』出演が決まったときでも、特におめでとうとか言われたことがないんです」と、黙して語らず、胸の奥で応援するタイプの父のことに触れ、一方で「今回のイベントに出ると決まったときは、母がめちゃめちゃテンション上がってました(笑)」と、両親が対照的なリアクションをしたことを明かした。
1日だけとはいえ、多くの警察官のトップに立つ「署長」になった感想を聞かれた際は、「警察官になりたいな、とは思っていましたが、いろんなキャリアを飛び越えていきなり署長ですから、プレッシャーありますよね。今日はみなさんから署長、署長と呼ばれて、恥ずかしいんですけれど嬉しいという思い。また署長やりたいです(笑)」と、現職の警察官たちから署長と呼ばれることについて、まんざらでもない表情をうかべた。港北署の署長を見事に務め上げた奥山の実績を認め、また別な警察署が奥山を一日警察署長に迎える機会があるかもしれない。大いに期待したいところである。
今回は、変身後のパトレン1号、パトレン2号が応援にかけつけ、奥山とのフォトセッションに参加していたものの、朝加圭一郎役の結木滉星、陽川咲也役の横山涼の姿は見えなかった。これについて奥山は「ずっと『ルパパト』の現場では3人一緒でしたから、1人で人前に出る機会がなかなかなくて、今回はちょっと不安がありましたね。でも、それを2人に伝えたら『いいな~』とか『俺たちも出たい』とかうらやましがられて(笑)。これから、パトレンジャーの3人がそろってトークイベントができるのでしたら、どんどんやっていきたいと思います」と、劇中のパトレンジャーと同じく結城、横山との絆の強さ、チークワークの良さをうかがわせる発言を残した。
今回のイベントの重要なテーマであり、人々にいっそうの注意が呼びかけられている「振り込め詐欺」については、実家が遠く離れている奥山にとっても切実な問題。子や孫になりすました詐欺電話に両親や祖父、祖母がだまされないようにするため、奥山の実家ではどういう対策をとっているか?という質問には「家族間だけでわかる"合言葉"を決めていたんですけれど、父も母も合言葉自体をすぐ忘れてしまって、こりゃダメだということに(笑)。なので、ふだんから自分がコミュニケーションを密にすることで、互いの信頼を強めていくことが大事」と、さすがは一日警察署長を務めるだけあっての見事な模範解答を示した。
イベントのもうひとつのテーマ「交通事故防止運動」について、学生時代に乗っていた自転車が大型トラックとぶつかりそうになったエピソードを語った奥山は、改めてそのときのことを回想して「ぶつかりそうになったときは、持ち前の運動神経でサッとかわしたのですが、そのときに頭をガンとぶつけました。そのときヘルメットをしていたので怪我もなく、無事だったんですけれど、びっくりして心臓がバクバク。近所の人たちも心配して見に来てくれて、精神的なダメージが大きかった」と、当時の心境を明かした。
現在は『ルパパト』に全力投球している奥山だが、今後の女優・タレント活動についての抱負を尋ねられると「女優として初めて取り組んだ作品がこの『ルパパト』なのですが、これからも女優として、いろいろな役柄を演じていきたいと思っています。今後やってみたいのは"ミステリーハンター"です。世界のいろいろな場所を回ってリポートしたいという思いを秘めています(笑)」と、これからの夢を語った。
最後に奥山は「今回、たくさんの人がイベントに集まってくださって、最初にあった緊張がすぐにほぐれて、楽しい時間を過ごすことができました。またこういったイベントの機会をどんどん増やしていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! ありがとうございました!」と、会場にかけつけた大勢の人々に感謝の気持ちを述べつつ、これからもよりいっそうの活躍を見せたいと意欲を燃やしていた。