100円で買える収納用品はたくさんありますが、道具があるから片づくというわけではありません。むしろグッズばかりが増えて邪魔になったりします。たったの100円ですが長く使える商品を見つけることが大事。安さに惑わされない上手な選び方を紹介します。
書類ボックスは横長タイプで
収納用品を選ぶときには用途の限られた便利グッズではなく、多目的に使えるものを手に入れることが肝心。それは100均グッズであっても同じです。そこで、お店に行ったら必ずチェックしたいのが文具コーナー。家じゅうで使いまわせるものが見つかります。なかでも書類を整理するボックスは、どの店舗でも扱っているので手に入れやすいグッズです。なかでも横長タイプのものを選ぶと、キッチンでは洋皿、フライパン、鍋のフタを立てて入れられるので、ゴチャつきがちなモノを整理整頓しやすくなります。
クローゼットではジーンズをたたむと3~4枚入ったり、カットソーをロール状に巻くことで5枚収まったりするなど、棚や引き出しの代わりとして活用できます。収納したいモノが変化したときにはボックスを折りたたんでしまっておいて、用途が決まったらボックスにするといった臨機応変な使い方が魅力的。
玄関ではスリッパ、サンダル、スニーカーをしまってもいいでしょう。形状が四角いボックス型なので、棚の中で使ったり棚の上に並べておいたりするなど整えるのが簡単。衣装ケースの中を仕切るために使うというのも一つの手です。
レタートレイは重ねて使えるものを
同じく文具コーナーで見つけたいのがレタートレイ。プラスチック製で積み重ねのできるものを選びます。本来は郵便物やプリントを整理するときに使うのですが、たたんだカットソーとブラウスをトレイごとに入れ分けておいたり、洗濯済みのものと繰り返し着るものと分けたりできるので便利。トレイを積み重ねておくと、平らに並べるよりも省スペースです。
また、玄関で脱いだ靴をトレイに載せて、ひと組ずつ重ね置きしておくと通行の邪魔になりません。湿気と臭気を自然に取り除くために役立つグッズです。そんな使い方を想定すると、トレイはA4サイズのものを選ぶのがおススメ。紳士用の普通サイズのシャツやシューズでもA4サイズに収まります。
突っ張り棒は長さを測ってから
家の中で使いきれずに残っているデッドスペースを活かせば、収納家具を増やさなくても解決できることがあります。たとえば洗濯機の上に余っているスペースや、トイレの天井付近で使えそうで使えていないスペースなど。そうした狭い場所だからこそ活用したいのが突っ張り棒です。
棒を1本使えば、洗濯ハンガーやタオルを入れたカゴを吊るしたり、フロアワイパーを吊るしたりすることができます。2本の棒を平行に渡すことで棚の代わりになり、洗濯カゴやトイレットペーパーの置き場所として使えます。さらに、玄関の下駄箱やキッチン戸棚の中に棚を増やしたいときには、思い通りの位置に設置できるので簡単。ネジや釘を使わないので工具は不要。穴をあけないので賃貸でも安心です。とは言え、重たいモノを載せると棒が重みに耐え切れず、落下する恐れがあるので注意しましょう。
すはらひろこ
整理収納アドバイザー認定講師・一級建築士・インテリアコーディネーター。インテリアのプロならではの収納術が、オシャレでやる気がわくと好評。片付け講座を定期開催するほかテレビ・雑誌でも活躍。著書「シンプルに暮らす 無印良品で片づく部屋のつくり方」(エクスナレッジ)、「朝、着る服に迷わないハッピー収納術」(大和書房)、「1分からはじめるかたづけ術」(だいわ文庫)など著書・監修書多数。http://ouchisuteki.com/