博報堂生活総合研究所は7月12日、サラリーマン世帯の夫婦を対象とした「家族調査」の第3弾として、「家族・夫婦の価値観」編を発表した。同調査は1988年から10年ごとに実施しており、今回で4回目。同一世帯の夫と妻それぞれに同じ質問を投げかけ、反応のギャップを調べた。
意識のジェンダーフリー進むも実態は?
「夫の不倫は絶対に許されることではない」との質問に、「はい」と答えた夫は過去最高の84.3%(1988年61.4%)に上り、妻の78.3%(同73.2%)を初めて上回った。また「結婚指輪をいつもしている」夫は過去最多の40.3%(同15.8%)となった一方、「無断外泊したことがある」夫は過去最低の14.8%(1998年29.3%)と、夫の誠実度が増している傾向がみられた。
「夫婦はどんなことがあっても離婚しない方が良い」と答えた割合は、夫55.1%(1988年68.4%)、妻24.4%(同59.7%)と、ともに過去最低で特に妻で大きく減少した。
「人は結婚してはじめて一人前」との意識は、夫27.8%(同47.7%)、妻17.0%(同41.7%)と、ともに過去最低を記録。また「人は子どもをもってはじめて一人前」との意識も、夫30.2%(同53.3%)、妻20.8%(同53.9%)と、ともに過去最低となった。
「意識して家族の絆を強めることをする方が良い」との回答は、夫57.8%(同37.3%)、妻51.4%(同36.4%)と、ともに過去最高に。一方、「家族は『先祖代々の墓』に入る方が良い」と答えた割合は、夫41.4%(同60.3%)、妻28.6%(同53.9%)と、ともに過去最低を更新した。
「女性は子供ができても外で働いた方が良い」との回答は、夫52.7%(同31.6%)、妻54.9%(同44.1%)と、ともに初めて5割を突破し過去最高に。しかし、「『女は仕事、男は家庭』という夫婦があってもよい」と答えた割合は夫73.8%・妻82.1%に上るも、実際に「自分たちがそうなってもよい」と考えている割合は夫31.4%・妻21.3%にとどまり、「意識の上ではジェンダーフリーが進むも、実践は難しい」(博報堂)人が多いことがわかった。
調査期間は2018年2月7日~3月12日、調査対象は首都圏40km県内在住で妻の年齢が20~59歳の夫婦が同居する世帯、有効回答は630世帯(1,260人)。