日本エイサーは7月12日、エクササイズ・マシンを開発・販売するライフ・フィットネス・ジャパンと協業し、「Acer Windows Mixed Reality ヘッドセット」を使用した法人向けVRフィットネスキットの受注を開始したことを発表しました。合わせて、メディア向けにVRフィットネス体験会を実施。その様子をレポートします。

  • Windows Mixed Realityを利用したVRエクササイズバイク

    エレベーション・シリーズ Lifecycle アップライト・エクササイズ・バイク

フィットネスが続かない理由

皆さんはフィットネスクラブやスポーツジムに通った経験はありますか?

筆者は一度だけあります。もうずいぶん前ですが、ろくに続かず、会費のほとんどを無駄にしてしまいました。同じような経験を持つ人も多いのではないでしょうか。

なぜ、なぜ続かなかったのか。

一番の理由は「退屈に感じてしまったから」だと思います。では退屈でなければ続いたのか。今回体験した“VRフィットネス”は、それを自問せずにいられない、退屈しないフィットネスシステムでした。

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    エクササイズバイクの脇にあるモニター画面がVRヘッドセットに表示される内容です

VRフィットネスとは何でしょう。簡単に説明すると、VRヘッドセットを装着してエクササイズバイク(インドアバイク)をこぐシステムです。仮想の風景の中を走ったり、ゲームをしながら運動できるのがポイント。

バイクとヘッドセットが連動しており、バイクをこぐとヘッドセットの映像が前に進みます。また、ハンドル中央にボタンが2つ付いており、これをトリガーにしてタイミングを合わせたり、武器を発射したりします。

体験会の時点で、ゲームは7種類。レーシング・ゲームや乗馬ゲームのほか、戦車やヘリコプターに乗って敵と戦ったり、炎を吐くドラゴンに乗って空を飛んだりするゲームもあります。

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    いろいろなゲームが用意されています

飽きずにリピートしたくなることが重要なので、ゲームの本数や内容は随時アップデートしていくとのこと。

ゲームは好きだけれど走るのは嫌い、でも痩せたい。ゲームは楽しいけれど汗をかくのは楽しくない、でも体力は付けたい。VRフィットネスは、スポーツよりゲームを選びがちなインドア派のレイジーな人でも、退屈せずに続きそうなプログラムといえそうです。

西部の街並みを駆け抜けろ

ひととおり説明を聞いたあと、実際にVRフィットネスを体験しました。

「汗だくになるまでこいで大丈夫です!」といわれたものの、こちらは“体験会”にワイシャツネクタイ姿で現れる根っからの文化系です。

「お手柔らかに」と微笑んでバイクにまたがると、乗馬ゲームをすすめられました。7つの中で一番、こぎまくるゲームだそうです。マジすか。

【動画】音声が流れます。ご注意ください。
乗馬ゲームに挑戦する筆者。無機質な壁面をぼーっと見ながらバイクをこぐよりずっと楽しい

【動画】音声が流れます。ご注意ください。
西部劇の街並みを駆けながら、カウボーイの投げ縄で悪党を捕らえるゲーム

冷や汗をかきながらヘッドセットを装着し、ペダルを回していくと、画面が西部劇の街並みになり、自分は馬に乗って走っている景色になりました。馬で駆けながら、カウボーイの投げ縄で並走する悪党を捕らえるゲームです。

馬に乗っているはずなのに、馬が走るのではなく私がペダルをこぐことに一抹の理不尽さを覚えつつも、なんだか悔しいのでそれなりに必死でこぎます。

身体を傾けて捕らえる悪党の真後ろに付けると、ターゲットは自動でロックオンされ、あとは投げ縄を放つタイミングをハンドルのボタンで合わせます。このボタン押下が意外と難しいのです。ペダルをこぎながらだと妙にタイミングが合わず、タイミングに集中すると足が止まってしまいがちで、変なところで夢中になってしまいました。

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    ハンドル中央にある2つのボタン。おもに使うのは「+」ですが、漕ぎながらはだとやけに押しづらく感じました

すべてのゲームを試したわけではありませんが、ゲーム性の高いタイトルだけでなく、ボタン操作があまり必要ないタイトルもあると、自分の好みやその日の気分に合わせて挑戦できそうです。

実際のところ、Googleストリートビューを見ながらバイクをこぐだけでも十分楽しいのではないかと感じました。天気に関係なく風景を味わえるし、方向音痴でもヘッドセットを外すだけで、道に迷わず現実に戻れます。

身体を能動的に動かしているせいか、気が付いてみると「VRにまったく酔わなかった」ことも好印象でした。

なお、プレイは途中で止めてもよし、ゲームオーバーでも終わります。プレイ記録はワークアウト結果として画面に表示されます。経過時間、走行距離、消費カロリーのほか、ペースや心拍数なども分かります。

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    筆者のプレイ記録。なんだかんだで、短時間のうちに2km以上走りました

フィットネス会員がリピート率を上げるきっかけにしたい

今回のVRフィットネスの狙いについて、ライフ・フィットネス・ジャパンのビジネスデベロップメントセールス 中河勇真マネージャーは「会員が退屈しないで、リピート率を上げるきっかけになれば。VRフィットネスで一汗かいたあと、従来どおりのフィットネスに切り替えてもいいんです。まずはフィットネスクラブに足を向けたくなることが大切」と語ります。

また、日本エイサーと組んだ背景については、「VRを手がけている複数の企業と話しましたが、サポートが一番しっかりしていると感じたことが大きいです。あと、VRヘッドセットは、パソコンとVRヘッドセットをつなぐだけでよいと教えてもらったことも背中を押しました。完全に業務用のVRシステムは、部屋のあちこちにセンサーをセッティングする必要があるので、VRヘッドセットを教えてもらったことで話がぐっと前に進みました」とのことでした。

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    マイナビニュース・デジタルの林編集長も挑戦。編集部では決め顔を作るのが流行っているみたいですね

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    林編集長を手ほどきする日本エイサーの谷氏

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    林編集長のプレイ記録。筆者より、ちょろい!?

エクササイズバイクは、日本エイサーが特別に組んだPCとBluetoothでつながっています。このシステムはほかのWindows Mixed Realityプログラムと異なり、Windows Storeからプログラムをダウンロードすることがないのも特徴になっています。

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    エクササイズバイクからぴょろっと飛び出しているBluetoothユニット

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    VRシステムは「Windows Mixed Reality」です。パソコンのスペックは「Windows Mixed Reality Ultra」準拠。簡単にいうと、CPUはIntel Core i5-4590(第4世代)以降、またはAMD Ryzen 5 1400(3.4GHz)以降、メモリはDDR3の8GB以上、ディスクリートGPUはDirectX12に対応したNVIDIA Geforce GTX 1060以上、またはAMD Radeon RX 470/570以上

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