KDDIが7月12日、INFOBARの15周年モデル「INFOBAR xv」を発表しました。3.1インチのWVGA液晶ディスプレイを備えたフィーチャーフォンながら、VoLTE、テザリング機能、LINE、+メッセージ、スマホ音声アシスタント呼出機能などに対応しています。どのような想いから開発された端末なのでしょうか? 都内では記者説明会が開催されました。
なぜいま、INFOBARを?
2003年10月に初代INFOBARが発売されてから15年。なぜいま、INFOBARを世に送り出すのでしょうか。KDDI 商品・CS統括本部の山田靖久氏は、開発の経緯を次のように語ります。
「KDDIでは、これまでもオリジナルデザインの携帯電話にこだわってきました。2017年にはau Design projectの15周年を記念して、デザインの歴史を振り返る『ケータイの形態学 展』を開催しましたが、そこでもINFOBARシリーズの人気は高かった。また、auおもいでケータイグランプリを開催したところ、INFOBAR、INFOBAR 2、INFOBAR A01などがファン投票で上位に入りました。こうした声に後押しされる形で、新製品の開発が決まりました」。
それにしても、スマートフォン全盛の時代です。なぜフィーチャーフォンとして開発したのでしょうか。KDDI プロダクト企画部の砂原哲氏は「はじめは初代INFOBARをそのまま復刻させるつもりでした。しかし現在、2.0インチの液晶は量産しづらくなっている。また、せっかく出すなら新しいモデルとして出したいという想いもありました」と説明します。
また、デザインを担当したプロダクトデザイナーの深澤直人氏は「ケータイは本来、携帯する電話であるべき。そのコンセプトに最も合致しているものは(PCが小さくなったスマホではなく)バータイプのフィーチャーフォンではないでしょうか。INFOBARの人気が根強いのも、懐かしくも斬新なバータイプのデザインが、消費者のニーズにフィットしているからだと考えています」と話します。
スマホにして機能を詰め込むのではなく、フィーチャーフォンとして必要なサイズに必要な機能だけを搭載する、という形にこだわったといいます。
消費者としては、端末価格も気になります。砂原氏は「ガラホより高く、ハイエンドスマホよりは安いとお考えください」と説明するにとどまりました。au Online Shopで調べたところ、例えば2017年au冬モデルであるAQUOS K SHF34の現金販売価格は43,200円(税込、原稿執筆時点)です。これよりは高いということでしょう。
では、どのくらいの量を売るのでしょうか。販売台数についても、砂原氏は「たくさんの量を出す考えはありません」といいます。
どのような層をターゲットとして想定しているのでしょう? これについて砂原氏は「2007年に発売したINFOBAR 2を、まだ大事に使っていただいているユーザーさんもいます。そうした方をメインのターゲットにしつつ、スマホとケータイの2台持ちをされている方にもお使いいただけたら。スマホの音声アシスタント(GoogleアシスタントやSiri)を呼び出す便利な連携機能も搭載しました」と説明します。深澤氏は「初代INFOBARを知らない世代も増えてきました。そこに火をつける狙いもあります」と話していました。
クラウドファンディングで自分の名前をクレジットに
INFOBARの最新モデルを目にして、興味をもたれた方も多いことでしょう。KDDIでは本日よりau Design projectファンに向けたデザイン系Webサイト「adp.au.com」を開設。さっそくINFOBAR xvの情報も紹介されています。
また、10月31日から11月12日まで、六本木の21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3にてINFOBAR xvのお披露目イベント「INFOBAR展(仮称)」も開催する予定です。
このほか製品の発売に先駆けて、KDDIではユニークなクラウドファンディングも実施します。その内容は「クレジットタイトルに名前を記銘できる」「専用ケースがもらえる」「原寸大オブジェがもらえる」といったもの。詳細はMakuakeのホームページから確認できます(adp.au.comからもアクセス可)。