俳優の吉沢亮が12日、テレビ東京系新ドラマ24『GIVER 復讐の贈与者』(7月13日スタート 毎週金曜 深夜24時12分〜 ※初回放送は24時17分〜)の製作発表会見に、共演の森川葵、小林勇貴監督とともに登場した。
同作は、日野草による同名小説を実写化。原作は伊坂幸太郎、恩田陸、乙一などベストセラー作家たちが絶賛する新感覚リベンジミステリーとなっている。生まれつき人間としての感情が欠落している主人公の義波(吉沢)が、淡々と他人の復讐を請け負い、完璧にこなしていく。
濱谷晃一プロデューサーは、吉沢・森川へのオファーについて「去年『下北沢ダイハード』でもご一緒して、もう一回ご一緒したいと思っていた」と明かす。「吉沢くんの、生まれつきの顔の造形が大きいと思うんですけど、人の奥底を見てくるような、美形の中でも得体の知れない感じがあるところが向いている」と称賛。「今年の頭くらいに思って、抜擢のつもりだったんですけど、そこから半年かけたらネットニュースとかにめちゃくちゃ吉沢くん出てきて、ギリギリだった。『間に合ったな』と思った」と語った。
また、原作が緻密にできている分、このままでは「TBSで流れててもおかしくないような作品ができてしまう」と危惧。「テレ東の深夜らしさ」を出すために、「新しい監督に破壊的なものを作って欲しい。化学反応が起きるんじゃないか」と、27歳の俊英・小林監督にお願いしたところ、「期待の5倍10倍くらい破壊的なものが出来上がった」と苦笑した。
小林監督は「原作の凄まじいところは、義波が誰かに変装していて、途中で『この人物が義波だった』とわかり追い詰められていく恐怖」と説明。映像にすると、どんなに変装していても視聴者には吉沢だとわかってしまうために、悩んでいたという。
しかし吉沢の演技を見て「原作のかっこいいところが、『実は義波だった』の先にある。『普通に話していた人が得体の知れない何かだった』とわかった時の恐怖に目を向けたんだ」と気づき、「吉沢くんの演技が、『人格の変装を暴いた時が恐ろしいのだ』という温度差を見せてくれて、全部の視界が晴れた」と感謝した。
毎作品ごとに「発明」をしたい、という小林監督。「吉沢くんが『発明を産んでくれた』という感動がありました。読んだ時の『うおお』という気持ちが映像でもできるという確信に変わった。こういうことしてくれる男といっしょに仕事ができるのは、誉れだなと思いました」と吉沢の演技を絶賛した。
吉沢は改めて「何かを演じている時と、抜けた瞬間のギャップは一番意識していた」と演技プランを振り返る。「抜けた瞬間の義波を、あえてものすごく空っぽの人間に作っていて、そうした方が何かを入れた時の義波が遊べるかなと思いました。原作の方が人間味のある表現だと思うけど、それ以上にあえてわかりやすく『人間味がない』というのを作ってやっています」と語った。