東芝クライアントソリューションは10日、dynabookの新CM発表と合わせ、「TOSHIBA dynabook Day 2018」と銘打った自社製品の展示会を開催しました。ここでは、会場でひときわ目を惹いていた展示「PC分解デモンストレーション」にフォーカスをあてて紹介していきます。

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    dynabookシリーズの歩みがまとめられたボード。1989年に登場した「dynabook J-3100 SS001」や最新のノートPCに加え、エッジコンピューティングのキモとなる「dynaEdge DE100」やウェアラブルデバイス「AR100」などが来場者をお出迎え

華麗なPC分解デモが盛況

まず、会場でひときわ眼を惹いていたのが、PCをあれよあれよという間に分解してしまう「PC分解デモンストレーション」ブースでした。デモンストレーターはdynabook VCプロジェクトマネージャの杉浦雄介氏。「冷却ファンは(総合モーターメーカーの)日本電産と共同開発」や「シミュレーションを繰り返してネジ止めする穴の位置を試行錯誤した」などの解説付きで、手際よくパーツを取り外していく様は圧巻。コンパクトな筐体をフル活用するべく、緻密な設計の上でPCが構成したと紹介されていました。

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    盛況だった分解デモンストレーション

  • マグネシウム合金製の底面を止めているネジを外していく杉浦氏

  • 底面が外れたところ。ぎっしりと部品が詰め込まれています。一番大きな面積を占めていたバッテリーは、経年劣化して膨張しても大丈夫なようにあらかじめ空間のマージンを設けているのだそう

  • こちらがメイン基板

  • CPUの背面側には、写真のように“L”字型をした部材が配されていました。これは、本体の持ち運び等でゆがみ・ねじれが生じた際に、表側のCPUやはんだ部分に影響を出さないための対策なのだそう

  • 「dynabook VC」シリーズの特徴でもある360度開くボディとディスプレイを支えるヒンジ。壊れにくいように、軸部分をひと続きのパーツにしたそうです

  • 最終的にはここまで分解。実際にパーツを手に持ってその作りを確かめることができる貴重な体験でした

ネット中継でPC製造拠点のバーチャル工場見学

また、東芝PCの生産拠点である東芝情報機器杭州社とネット中継を結び、「バーチャル工場見学」も実施。ノートPCがどのようにしてひとつの製品として完成するのか、どのようにして我々の手元に届くのかを紹介していました。

  • ネット中継で東芝情報機器杭州社の今の様子を披露。現地で働く技術者は近年メキメキと実力を伸ばしているとのこと

  • ビデオで紹介されたdynabook製造のワンシーンより。機械の力はもちろん、熟練した技術者の手仕事や、目視による確認などのチェック体制を垣間見ることができました

このほか、手書きノートアプリ「TruNote」の体験コーナーでは、漢字の書き取り練習を行うといた使い方が例示されていました。ほか、働き方改革推奨PC「dynabook VC72」や「dynabook U63」を実際に触って確かめられるタッチ&トライコーナー、IoTや最先端技術で未来を感じさせてくれるコーナーなど、多くの来場者が足を止めて解説員の声に耳を傾ける姿が印象的でした。

  • 手書きノートアプリ「TruNote」。自由気ままに描け幅広く様々なシーンで役に立ってくれそう

  • 有村架純さんの自筆サイン入り「dynabook VC72」も展示

1989年に初代dynabookが登場して現在に至るまで、自社設計・自社製造にこだわってきた東芝のノートPC。2018年10月1日以降はシャープ傘下での活動となりますが、“東芝のdynabook”というブランドはそのままに、これからも挑戦し続けるとのこと。東芝の“ものづくりDNA”が今後どのように受け継がれ、新たなチャレンジを魅せてくれるのか気になるところです。