JR西日本は10日、「平成30年7月豪雨」による被害で長期間運転見合わせとなる線区について発表した。同社鉄道施設の被害状況については、現在、係員による巡回に加え、道路が寸断されている箇所では空撮などで迅速な把握に努めている。

  • 山陽本線本郷~河内間の盛土流出箇所(7月7日撮影)

「平成30年7月豪雨」による被害状況の詳細は調査中だが、すでに「橋桁流出」「土砂流入」「盛土流出」「斜面崩壊」「土砂堆積」など、甚大かつ広範囲にわたる被害が出ていることが明らかになりつつあるという。

今回の発表では、山陽本線三原~海田市間(土砂流入・盛土流出・土砂堆積・変電所水没)、山陽本線柳井~徳山間(斜面崩壊・変電所水没)、姫新線上月~新見間(土砂流入)、津山線野々口~牧山間(土砂流入)、伯備線豪渓~上石見間(土砂流入)、芸備線新見~下深川間(橋桁流出・橋桁変状・土砂流入)、福塩線府中~塩町間(土砂流入)、因美線津山~智頭間(土砂流入)、呉線三原~海田市間(土砂流入・斜面崩壊・土砂堆積)、岩徳線岩国~櫛ヶ浜間(土砂流入・盛土流出)において、運転見合わせが1カ月以上の長期間に及ぶと想定している。なお、今後の調査状況により線区が増える場合もあり、運転再開日は決まり次第、改めて発表するとのこと。

  • 山陽本線瀬野駅構内の土砂堆積箇所(7月9日撮影)

  • 芸備線白木山~狩留家間の橋桁流出箇所(7月7日撮影)

山陽本線笠岡~海田市間では、復旧までかなりの期間を要する見込みであることや、他の輸送手段による移動が困難なことから、山陽新幹線による代替輸送を開始している。JR西日本は同区間に加え、山陽本線岩国~徳山間・岩徳線岩国~櫛ヶ浜間についても、7月11日から山陽新幹線による代替輸送を実施すると発表した。