シェアハウスに興味はあるけれど、他人と一緒に暮らすってどんな感じなのか、たとえば掃除は誰がするのか、トイレットペーパーやシャンプーは誰が買うのかなど、なかなか住んでみないとわからないことは多いですよね。

シェアハウスに住んでみたい人が知りたい生活の実態を、All About「ルームシェア・シェアハウス」ガイドで、シェアハウスについての著書を出版されている阿部珠恵さんに伺いました。

シェアハウスではリビングやトイレ、お風呂などの共有スペースの掃除や、電球が切れた場合などの管理は、どうするのが一般的なのでしょう?

「そもそも、シェアハウスには大きく二つの種類があります。ひとつは、一軒家や3LDKなどのマンションを借り切って、知り合い同士でシェアハウスをするタイプ。自分たちでルールや家賃の配分などを決めていくので、『DIY型』と呼んでいます。

もうひとつは、事業会社が運営しているシェアハウスの1部屋に入居するタイプ。ルールや部屋ごとの家賃は会社が決めるため、『事業体介在型』と呼んでいます。

DIY型の場合、掃除やお部屋の整頓、管理なども、全部自分たちでルールを決めます。掃除は当番制というところもあれば、気になった人が都度やっているというパターンも。事業体介在型の場合、キッチンやリビング、お風呂などの共有部の掃除・管理は事業会社側で行うことが多いです。電球が切れた場合も、管理担当に電話して、換えてもらうという感じですね」

トイレットペーパーやシャンプー、洗剤や調味料のような消耗品は、どんなものが備品・共用のものとして用意されているのが一般的なのでしょうか?

「正直なところ、シェアハウスのサイズやタイプによります。寮のように、数十人が住むようなタイプの事業体介在型シェアハウスの場合、トイレットペーパー以外の消耗品は個人で用意するケースが多いですね。キッチンにも個人のラックが用意されており、そこに個人で購入した調味料や乾物をしまう場合が多いです。DIY型の場合は、そのシェアハウスのメンバー間でどんなルール作りをするかによって違います。たとえば私の住んでいるシェアハウスは10人くらいで住んでいますが、だいたいの消耗品は共有しています。ただ、シャンプーにこだわりがあるなどの場合は個別に買うでしょうし、料理をするメンバーがごく一部しかいない場合は、調味料も各自で買ったほうがいいでしょう。メンバーによって、このあたりに差はあります」

消耗品の補充は、いつ誰がするものですか? その購入費は誰がどうやって負担するのでしょう。

「事業体介在型の場合、運営会社が定期的に補充します。家賃のほかに共益費が定額設定されていることが多く、そこから費用が出ます。

DIY型の場合は、シェアハウスによりますが、多くの場合は消耗品購入代、共益費として全員から集金しておき、足りなくなったタイミングで気付いた人が買うという感じです。買うタイミングは、家族で消耗品を補充するというイメージに近く、特に決まったタイミングがあるわけではありません。実家でトイレットペーパーがなくなったときに『ちょっと買ってきてー!』っていう感覚に近いですね。

調味料などをどこまで共益費から買うかも、シェアハウスによって違いますね。我が家は醤油からお米まで共益費で買っていますが、お米は各自買うというシェアハウスもあります」

消耗品以外にも、Wi-Fiなど費用のかかる設備が共用としてある場合の、費用負担のしかたを教えてください。

「事業体介在型の場合は、家賃のほかに設定された共益費からWi-Fi代や光熱費も支払われます。DIY型の場合も基本的には同じで、メンバーでwi-fiや光熱費の支払いに必要な費用を共益費として出し合って、そこから負担しています。DIY型の場合は、リビングの設備なども自分たちでお金を出し合って充実させていくことが少なくありません。メンバー間で合意が取れれば、費用を出し合って買うこともありますよ」

なるほど、DIY型のほうがメンバーによるぶん、自由度が高いとも言えそうです。自分の暮らしの感覚に近そうなルールのシェアハウスを見極めて探せたらよいですね。

《取材協力》
阿部 珠恵
All About「ルームシェア・シェアハウス」ガイド。20軒以上のシェアハウスを取材し、自らもシェアハウスに7年以上暮らす。著書に「シェアハウス わたしたちが他人と住む理由」(辰巳出版)、連載に「結婚してもシェアハウス!」(幻冬舎plus)。 https://allabout.co.jp/gm/gp/1293/
著書/https://www.amazon.co.jp/dp/4777810542
連載/http://www.gentosha.jp/category/kekkonshitemosharehouse