成田国際空港株は、スマートエアポート・ファストトラベル等の空港のサービスレベル向上にかかる取り組みの一環として、国際線用として日本初となるAIを活用した自動装着機能付きの搭乗橋を試験導入する。同機能導入に先立ち、既存の搭乗橋にてAIの学習に使用する画像データの取得を行い、その後、2019年3月を目処に更新する搭乗橋に同機能を搭載した搭乗橋を設置し、航空会社への運用につなげる。

  • 搭乗橋のドアの側にカメラを設置して画像データを取得し、AIに学習させる

    搭乗橋のドアの側にカメラを設置して画像データを取得し、AIに学習させる

搭乗橋とは、ターミナルビルから航空機へ搭乗する際に使用する可動式の通路であり、既存の搭乗橋は人が運転するため、装着の精度が個人の技量に左右されてしまう。これまでの搭乗橋にはない自動装着機能は、AIと画像認証技術により航空機のドアを認識することで、時間をかけずに、また、ヒューマンエラーの防止により確実で正確な航空機への接続を可能とし、スムーズな降機につながる。

  • 既存の搭乗橋は人が運転するため、装着の精度が個人の技量に左右されてしまう

    既存の搭乗橋は人が運転するため、装着の精度が個人の技量に左右されてしまう

AIの学習に使用する画像データの取得を経て、2019年3月(予定)より成田空港第2ターミナル64番スポットで更新する搭乗橋に同機能を実装し、同年3~9月(予定)に運用導入を予定している。

手順としては、画像認証技術により航空機のドアを認識し、ボタン操作ひとつで10cm手前まで自動で移動し、ドアの位置を特定して装着を行う。航空機の駐機位置がずれた場合や悪天候などで環境が変わった場合も、蓄積された画像データをもとにAIが画像判定を行う。なお、技術的には完全装着も可能だが、安全性を担保するため、航空機の10cm手前で停止してマニュアル操作に切り替えて行う。

  • 成田空港第2ターミナル64番スポットで実施

    成田空港第2ターミナル64番スポットで実施

成田空港の国際線で試験導入を行うことで、国内線では実証できていない航空会社・航空機の機種も含め、幅広く実施が可能になる。使い勝手や安全面などの評価・検証を行い、同搭乗橋の運用により有用性が確認されれば、順次導入に向けて検討を進めていく。