6月1日に日本初の定期便である成田=バンコク線就航したLCCのノックスクート(拠点: タイ)。日本=タイ間では多くのLCCが路線を展開しているが、ノックスクートならではなのが、同じドンムアン空港を拠点にしているタイLCCのノックエアがあることだ。では、ノックエアではどんな体験ができるのだろうか。
+990円でプレミアムなフライトを
ノックエアはタイのリージョナルLCCとして2004年に設立した会社で、ドンムアン空港を拠点に国内線24路線/国際線11路線を展開。機材は、ボーイング737-800を19機、ボンバルディアDHC8-Q400を8機、ATR72-500の合計29機を保有している。ノックエアの"ノック"はタイ語で"鳥"という意味を持つ。それぞれの機体は鳥が描かれており、そして、とってもカラフル。ぜひとも、全員が集合しているところを見てみたいものだ。
中長距離国際線LCCのノックスクートも同じドンムアン空港を拠点にしており、7月後半には、成田からバンコク経由のハートヤイ線とチェンマイ線でスルーチケット/スルーチェックインが可能になる。今後、対象路線を拡大する予定だ。今回、成田=バンコクはノックスクートを利用し、バンコク=プーケット線はノックエアを利用することにした。
ノックエアのバンコク=プーケット線は1日5便運航している。ドンムアン空港の国際線/国内線ターミナルはつながっており、徒歩5分程度でたどり着ける。ノックスクートのXW101(13:55成田発/18:25バンコク着)に合わせるなら、DD7524(20:35バンコク発/22:00プーケット着)がいいだろう。
バンコク=プーケット線には737-800が導入されており、席は通常シートのほか、+300THB(約990円)で利用できるプレミアムシートを展開している。シートピッチはいずれも30インチと広さは変わらないが、プレミアムシートの場合、チェックインやボーディング、荷物の引渡しが優先的に案内され、機内ではコーヒーか紅茶をサービスしてくれる。なお、どちらのシートでも機内持込手荷物は2つ(合計最大15kg)までで、国内線での受託手荷物は15kg(チケット購入時は+350THB=約1,160円/予約後は400THB=約1,320円)からとなる。
座席配列はどちらのシートも3-3。ちなみに、最前列のプレミアムシートは扉のすぐ側に座席があり、あまり見かけない風景にちょっと驚いた。この席は、空きがあればプレミアムシートなら誰でも利用可能。予約はできないので、希望する人はチェックインの際に聞いてみよう。
機内食でタイを感じる
ノックエアならではのサービスと言えば、全クラス利用者に水のペットボトルを配布すること。タイのLCCでは唯一のサービスだ。このボトルには月替わりで鮮やかな鳥がデザインされている。手のひらサイズのボトルはお土産にもぴったり。
フライト時間は約1時間半だが、有料の機内食を用意している。ただし、搭乗24時間前までのプレオーダーのみの対応なので、もし往路の機内で「これ食べたい!」と思ったら、復路の前に予約をするようにしよう。各座席には、機内誌と機内食のメニュー表、機内販売の冊子が置かれている。メニュー表と冊子のデザインは、フォントがポップだったり、サングラスをしたフラミンゴが描かれていたりととっても楽しげだ。
機内食はローカル色豊かなタイ料理がそろい、「ロブスターとライス」(390THB=約1,290円)というちょっとリッチなメニューもあれば、「タイバジルチキン」(150THB=約500円)とお手軽なメニューもある。
往路ではあえてタイ料理ではなく、「サーモンのラザニアとマッシュドポテト」(175THB=約580円)をオーダーした。濃いめの味付けで、中にはサーモンもチーズもたっぷり。濃いラザニアに、この甘くまろやかなマッシュドポテトが良く合う。プレミアムシート限定のコーヒーのおかげで、なんだか気持ちまでプレミアムになってくる。
ホットミールのほか、スナックとしてインスタントラーメン(カップヌードルやRuskiなど、60THB=約200円)や、プリングルスやチョコレート(50THB=約170円)なども用意している。ドリンクもソフトドリンク(30THB=約100円~)のほか、シンハービール(100THB=約330円)、ワイン(190THB=約630円)と、種類は豊富だ。
手頃で個性溢れる機内限定グッズたち
復路はと言うと、ノックスクートのXW102(02:20バンコク発/10:25成田着)を考えるとDD7527(22:50プーケット発/翌00:15バンコク着)が良さそうだが、余裕をもってDD7515(17:00プーケット発/18:20バンコク着)を選ぶでもいいかもしれない。超弾丸にはなるが、空港からバンコク市内までは混雑していなければタクシーにて40分ぐらいで行けるので、3~4時間程度バンコク観光を楽しむという選択肢もある。なお、どちらの路線も737-800が導入されている。
搭乗後は往路同様、鳥がデザインされた水のペットボトルが配られる。そして、復路での機内食では「野菜の焼きそば」(150THB=約500円)をチョイス。細めの歯ごたえのある麺に、ネーミング通り、キャベツとニンジンとシイタケがたっぷり。お肉かと思っていたら、実は大豆のお肉らしく、ベジタリアンの人も安心して食べられる。食後はプレミアムシート限定の紅茶でゆったりと。
ふと前を見ると、機内販売のアナウンスをしていたので、せっかくならと機内販売の冊子を開く。表紙のデザインのイメージ通り、カラフルで遊び心あふれるオリジナルグッズがずらりと並んでいる。「ノックパイロットTシャツ」(180THB=約590円/S,M,L,XL,XXL)なんて、遊び心が分かる人へのお土産に買ってあげたくなる。
個人的には、「ノックキッズ」のコーナーにあった「ノックスリープマスク」(150THB=約500円)を自分用に買おうかとても悩んだ。ここだけでしか買えない特別な一品。ノックエアに乗る機会があれば、ぜひ、機内販売も見逃さないようにしていただきたい。なお、機内食も機内販売もクレジットカードでの支払いには対応しておらず、タイバーツや日本円、US$等での支払いとなり、お釣りは基本的にタイバーツとなる。搭乗の際には、現金の用意もお忘れなく。
※日本円換算は1THB=約3.3円で計算