多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『WEBブラウザにも「データセーバー」機能があるの?』という質問に答えます。
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はい、ややこしいことに、現在のAndroid OSには2つの「データセーバー」が存在します。ひとつはAndroid 7.0以降でサポートされるモバイル回線のデータ通信量を抑制する機能で、WEBブラウザに限らずメールやSNSなどデータ通信を行うアプリすべてが対象になります。もうひとつは、Android OSでは標準装備に近い位置付けのWEBブラウザ「Chrome」独自の機能で、Windowsなど他のOSのChromeでも同様にデータ節減目的で利用されます。
この2つのデータセーバー機能は似て非なる存在ですから、当然ながらスイッチも独立しています。Android OSのほうは「設定」→「ネットワークとインターネット」→「データ使用」→「データセーバー」の順に画面を開くと、スイッチが現れます。Chromeブラウザのほうは、設定画面で「データセーバー」をタップすると現れます。
Chromeのデータセーバーを有効にすると、アクセスしたページ上のデータがGoogleのサーバを経由してAndroid端末に読み込まれるようになります。Googleのサーバではリアルタイムにデータ圧縮を行うため、Googleのサーバを通さないとき(Chromeのデータセーバー機能がオフのとき)と比べると、端末にダウンロードされるデータ量が減少します。WEBサイトによっては数十パーセントものデータ削減効果が報告されていますから、WEBブラウザ閲覧にかかわるパケット通信の節約に効果がある機能といえます。データ量が減れば読み込み速度向上効果もありますから、一石二鳥です。
ただし、画像は非可逆圧縮が行われるために劣化が避けられません。保護されているページ(URLが「https://」から始まるページ)を表示している場合や、プライベートブラウジングを行っている場合にもデータセーバーは機能しないため、すべてのWEBサイトで効果があるというわけでもありません。臨機応変に使いわけましょう。