ジャガー・ランドローバー・ジャパンは「レンジローバー」および「レンジローバー スポーツ」にプラグインハイブリッド(PHVあるいはPHEVと省略する)モデルを追加し、予約受注を開始した。納車は2018年12月にも開始する予定。SUV一筋の老舗「ランドローバー」が、ついに電動SUVの世界に足を踏み入れた格好だ。
ライバルはポルシェ「カイエン」だけ?
今年でブランド誕生から70周年を迎えたランドローバーは、1948年から一貫してSUVだけを作り続けてきた。自動車業界では現在、ランボルギーニやロールス・ロイスなども新商品を投入するほどSUVブームが過熱しているが、「真のSUVを生み出す知見を持っているのは我々だけ」とジャガー・ランドローバー・ジャパンのマグナス・ハンソン社長は深い自信を示す。
そのジャガー・ランドローバーが、同社初の電動モデルとして世に問うのが「レンジローバー/レンジローバー スポーツ」(以下、レンジローバーPHVと総称)のPHVだ。PHVとはエンジンおよびモーターの双方を搭載し、その双方で走行可能なクルマのこと。バッテリーとモーターだけで電気自動車(EV)のように走れる一方、エンジンを積んでいるので航続距離も伸ばせるというのがPHVの利点だ。
最高出力212kW、300馬力のガソリンエンジンと最高出力85kW、116馬力のモーターを搭載する「パラレル・ハイブリッド」システムのレンジローバーPHVは、2つの駆動装置を合わせて最高出力297kW、404馬力を発揮することができる。最高速度は時速220キロで、止まった状態から時速100キロまで加速するのに要する時間は「スポーツ」であれば6.7秒とのこと。フル充電の状態であれば、バッテリーとモーターだけで最長51キロの走行が可能だ。
状況に合わせて「パラレル・ハイブリッド・モード」と「EVモード」から走行モードを選べるレンジローバーPHVだが、面白い機能としては、パラレル・ハイブリッド・モード時に使える「エネルギー最適化(PEO:Predictive Energy Optimization)機能」がある。これはナビゲーション・システムに設定された目的地からルートの高低差を計算し、クルマがモーター走行とエンジン走行を切り替えて、効率的に走ろうとしてくれるという機能だ。
高級かつ電動のSUVとして、レンジローバーPHVのライバルとなりそうなのはポルシェ「カイエン」くらい。そういう意味では選択肢が増えたわけだが、実際のところ、この手のクルマに対する日本国内の需要はどうなのだろうか。ジャガー・ランドローバー・ジャパンのマーケティング・広報部でディレクターを務める若林敬一氏に聞いてみた。