6月1日より、成田=バンコク線への展開を始めたLCCのノックスクート。"スクート"と聞いてシンガポールが拠点の航空会社と思うかもしれないが、同社はLCCのスクートとタイLCCのノックエアの合弁航空会社であり、タイを拠点に国際線を展開している。どのような会社でどのようなフライトを展開しているのか、実際に乗ってみた。
2018年度内には成田以外にも就航予定
ノックスクートは2014年に設立された中長距離国際線を展開するLCCであり、2017年の売り上げは約192億6,400万円(56億億タイバーツ/1億7,900万USドル)、前年比で44%上昇。搭乗客は110万人で37%増加、搭乗率は87%で前年比8%と、成長を続けている。
設立直後より、インバウンド向けにバンコク(ドンムアン)=成田間でのチャーター便を展開し、直近では2017年12月2日~2018年1月4日の期間に17往復を運航。現在、チャーター便を含め、国際線を8路線(台北、成田、青島、西安、大連、天津、南京、瀋陽)展開している。そして、2017年12月の国際民間航空機関(ICAO)からのダウングレード解除をもって、成田=バンコク線定期便が就航となった。
ノックスクートのメリットは、バンコク到着後にノックエアが展開している国内線乗換ができるところにある。ノックエアはタイのリージョナルLCCとして、ノックスクートと同じドンムアン空港を拠点に国内線24路線/国際線11路線を展開しており、一部の路線ではスルーチケット/スルーチェックインが可能。
7月後半より、成田からバンコク経由でハートヤイとチェンマイへのスルーチケット/スルーチェックインが可能となり、今後も対象路線を拡大していく。今回、バンコク=プーケット線に関してはノックエアを利用した。
現在、ノックスクートは5機のボーイング777-200ERを受領しており、2018年下半期にはボーイング737-800の受領も計画している。1年以内の計画として、インドへの定期便就航がほぼ確定しており、日本への就航も成田以外に1,2都市を追加し、韓国へも就航都市を追加することを構想している。
搭乗後にスクートビズへの変更も可
では、実際に乗ってみよう。バンコク=成田線の機材は777-200ERであり、XW101(13:55成田発/18:25バンコク着)とXW102(02:20バンコク発/10:25成田着)を毎日運航している。フライト時間は6時間~6時間半程度。ノックスクートの"ノック"はタイ語で"鳥"という意味があり、ノックスクートは"Big Bird"という名で親しまれている。機体を見ると、「なるほどな」という気分になってくる。
LCCでありながら2クラス制なのは、スクートと同じ機内サービスを展開しているから。777-200ERには、スクートビズ24席、エコノミー391席の全415席を備える。ただし、スクートが787で導入しているwifiサービスは現状、ノックスクートでは展開していない。今回の往路ではスクートビズを利用した。
ノックスクートは成田空港第2ターミナルとなる。スクートビズはエコノミーとチェックインカウンターが別になっているので、並ぶことなくスムーズにチェックインできる。機内持込手荷物は2つ(合計最大15kg)まで、さらに、受託手荷物は30kgまで可能だ。機内へも優先搭乗となる。ちなみに、日本路線には日本語にも対応する客室乗務員が乗務しており、日本語でも機内放送もあるので、初めてのタイ旅行でも安心できる。
搭乗した後に、「やっぱりスクートビズが良かったな」と思うこともあるかもしれない。そんな場合、座席に余裕があれば、搭乗後でも変更も可能だ。スクートビズへは、何も付帯サービスを付けていないスタンダードのエコノミーから+2,500THB(約8,250円)でアップグレードができる。変更希望があれば客室乗務員に声をかけてみよう。
プレオーダーで約130円お得に
スクートビズの座席配列は2-4-2で、シート座席は可動式ヘッドレスト付きレザーシート。シートピッチ38インチ・シート幅22インチであり、リクライニングも6インチ可能という、ゆったりとした仕様になっている。眠る時には可動式のヘッドレストに首を預ければいい。確かに、ノックスクートではwifiサービスはないものの、日本のプラグ形状にも対応したコンセントが備わっているのはありがたい。
さらにスクートビズには、通常であれば有料の機内食もセットになっている。機内食は搭乗してから選ぶことも可能だが、搭乗48時間前であれば、事前予約限定メニューから選ぶことができる。ちなみに、プレオーダー限定メニューはエコノミーでもオーダー可能。通常のホットミール+ノンアルコールドリンクよりも40THB(約130円)お得な230THB(約760円)で購入できるので、機内食を食べるならぜひ、プレーオーダーをしておきたい。
機内食は全てハラル対応となっている。機内販売も含め、支払いは現金の場合、タイバーツと日本円、US$等も可能だが、お釣りは基本的にタイバーツとなる。クレジットカード(VISA、MASTER)にも対応しているので、タイバーツを持っていなくても問題ない。
プレオーダーはホットミール+ノンアルコールドリンクのセットであり、ホットミールは6種類から選べる。日本路線ならばと思い、「照り焼きチキンとライス」を選んだところ、通常メニューのホットミールにも「照り焼きチキンとライス」というメニューが。何が違うのか客室乗務員に尋ねたところ、通常のミールはシンガポールで作られており、プレオーダーのミールはタイで作られているという違いがある程度のようで、特に狙った違いはないようだった。
ノンアルコールドリンクは、コーラや緑茶、レモンティーのようなアイスドリンクや、コーヒーや紅茶、ミロなどのホットドリンクがそろう。今回は"NEW"と書かれた「homesoy soya milk(豆乳)」をオーダーしてみた。ちなみに、セットメニュー対象外ではあるが、ビール(シンハービール、タイガービール、アサヒ、ハイネケン)は120THB(約400円)、ワイン(赤/白)は200THB(約660円)で販売している。機内食のメニュー表は日本語表記のものも用意している。