多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『「Project Fi」は日本で使えますか?』という質問に答えます。
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Project Fi(プロジェクト・ファイ)は、170以上の国・地域で提供されているGoogleのモバイル通信サービスです。自社の通信設備を保有する携帯キャリアとしてではなく、仮想移動体通信事業者(MVNO)として、安価な通信サービスを実現しています。
Project Fiの契約者は、追加料金を支払うことなく、国/地域の違いを超えてデータやテキストメッセージ(SMS)をやり取りできます。世界のどこにいても同じ電話番号で着信できるため、滞在国を気にする必要がありません。複数のキャリアの中からもっとも高速/つながりやすい回線に自動で切り替えてくれるうえ、公衆無線LANにシームレスにつながるというメリットもあります。
その料金体系ですが、音声通話とSMSが使い放題で20ドル/月、そこに1GBごとに10ドルのデータプランを追加することが基本です(通話料金は国ごとに異なります)。2018年1月からは、支払い上限60ドルのデータプラン「Bill Protection」が追加されています。
そんなProject Fiが日本で使えるかどうかですが、2015年のサービス開始当初から利用できます。ただし、SIMをアクティベートするためには対応端末が必要で、NexusシリーズやLGの一部機種に限定されてしまいます(アクティベート後は他の端末で利用可)。後払い式のSIMであり、規約にも「米国在住者向けのサービス」と明記されているため、住所がアメリカ以外の場合には申込みが難しくなります。ひんぱんに海外渡航を行うのでSIMを差し替えたくないというユーザ以外には、なかなか手を出しにくいサービスといえるかもしれません。