明治安田生活福祉研究所はこのほど、「50代・60代の働き方に関する意識と実態」に関する調査結果を発表した。調査期間は2018年2月9~14日、有効回答は50~69歳の個人6,250人。
仕事へのモチベーションはどうなる?
「役職定年」とは、役職者が一定年齢に達したら管理職ポストをはずれる制度。定年後就労している60代前半の男性のうち、役職定年を経験している人は40.5%。この役職定年経験者に対し、役職定年後の年収を尋ねたところ、9割以上で年収が減少したことがわかった。年収水準は、役職定年前の「50~75%」が32.6%と最も多かったが、4割近い38.9%が「50%未満」と回答。一方、「変わらない」(5.9%)と「年収増」(1.0%)の合計は1割に満たなかった。
役職定年後の仕事に対するモチベーションを聞くと、役職定年に伴い年収が減収した人では約6割が「下がった」と答え、このうちの2~3割が「かなり下がった」と回答した。ただ、年収が変わらなかった人でも24.0%が「下がった」と答えており、同調査では「『これまでの肩書きがなくなる』という現実も、モチベーションの低下に影響を及ぼしているのかもしれない」と推測している。
60代の定年後有職者の男性に対し、定年後も働いている理由を質問したところ、60代前半では「日々の生活の維持のため」(64.7%)が圧倒的に多く、2位は「生活のハリ・生きがいを持つため」(34.9%)となった。一方、60代後半では「生活のハリ・生きがいを持つため」(46.6%)が最多、次いで「日々の生活維持のため」(42.9%)と続いた。