もしいま、そこそこ使えるお金があったら何を買いますか?「あれがほしい」「これを買おう」……。普段から多くのデジタル製品に触れ、ブツ欲があふれてそうなライター諸氏はどんな製品に興味をそそられるのでしょうか。想定金額は「サイコロの目×10万円」、予算内で夢と妄想を広げてもらいます。今回は家電にもIT機器にも詳しく、料理好きな子煩悩パパ、コヤマタカヒロさんです。
マイナビニュース編集部から「ボーナス時期なのでサイコロを振って出た目の10倍万円で欲しいものを語る企画で書いてください」とお声がかかりました。ずっとフリーランスで、一切ボーナスをもらったことがない僕になんてひどい依頼をするのでしょうか。そこで編集部からボーナス相当のギャラがもらえたと仮定して、考えてみました。
ということで引き出しを探って出てきたサイコロを振ってみます。先に見つかった20面ダイスを振ってみようかなと思いましたが、上限は50万円で、6以上は振り直しとのこと。これでは多面ダイスを振る意味がありません。素直に6面ダイスを振りました。出た目は「3」。つまり30万円です。これは選択肢が広がります。
細かなモデルや価格を考えない段階で思いついたのは高スペックなモバイルノート、大画面の4Kテレビなどです。ただ、モバイルノートはまだ、手元にあるモデルが現役で使えていますし、リビングのテレビは10年前の古い液晶テレビとはいえ、ほぼ子ども用となっているので、最新モデルに買い替える意味がありません。
本当に困っていることは何か……。よく考えて出てきたのが、冷蔵庫の買い替えです。現在使っているのは500Lの冷蔵庫。6年ほど前に購入しました。正直まだ現役バリバリ。買い替えにはまだ早いともいえます。でも、買い替えなければいけない理由が我が家にはあるのです。
よく食べる三姉妹。
偏食ですが、よく食べます。小学三年生を筆頭に、小・小・幼の段階で冷蔵庫はこんなに埋まるのか、というぐらいの状態になっています(筆者宅が郊外在住ということもあり、一度に買い物する量が多いというのもありそうです)。5人家族で備蓄型だと、500Lの冷蔵庫では常にいっぱいいっぱいなのです。
キッチンに冷蔵庫を置くスペースから考えると、冷蔵庫の幅は685mmが上限です。このサイズでもっとも大きいのは、600Lの冷蔵庫でした(これより大きな冷蔵庫は搬入も難しそう)。各社の冷蔵庫から選んだのが、三菱電機の「置けるスマート大容量 WXシリーズ MR-WX60C」です。
選んだ理由は多彩な保存温度が使えること
条件に合う冷蔵庫のうち、冷蔵室の容量が最大だったの三菱でした。逆に冷凍室容量が大きいのが日立の「真空チルド R-HW60J」。コストコなどで大量買いすることもあるため、冷凍庫が大きいのも魅力でしたが、今回は三菱の「MR-WX60C」を選びました。理由として大きかったのが、三菱の冷蔵庫が搭載する「切れちゃう瞬冷凍」と、「氷点下ストッカー」の2つの機能。これは、冷凍と冷蔵の間の温度帯で、食材をより効率よく保管できるようになります。
現在使っている冷蔵庫にも約0℃で食材を保存できるチルド室がありますが、長く保存したい食材は冷凍庫に入れる必要があります。しかし、「MR-WX60C」なら選択肢が広がります。チルド室と同様に使える「氷点下ストッカー」は設定温度が-3℃~0℃なので、チルド室よりも食材の鮮度を長く保つことが可能。
例えば、肉類はチルド室では約4日ですが、「氷点下ストッカー」なら約7日間、保存できます。0℃以下にはしますが、凍らない過冷却状態を利用するため、冷凍による細胞破壊がなく、解凍不要で使えるのです。
さらに便利なのが-7℃ですばやく凍らせる「切れちゃう瞬冷凍」です。これは食材全体にすばやく氷核を形成する独自の冷凍方法で、冷凍による細胞壁の破壊がないのが特徴。通常の冷凍(-18℃)と比べて冷凍の温度が高いため、食材がカチンコチンにならず、凍った状態のミンチ肉や薄切り肉などを簡単に切り分けたり、ホワイトソースなどを必要な分だけ、スプーンですくったりして使えます。
野菜を冷凍できるのもポイント。野菜の種類に応じて、生のままやレンジにかけて茹でた状態で瞬冷凍をすることで、美味しく保存できるのです。一週間分のレシピで使う野菜をカットして冷凍しておく、といった使い方も可能。使用頻度の高いオニオンスライスやみじん切り玉ねぎなどを保存しておけば、その都度カットする手間が省けますね。
また、瞬冷凍した玉ねぎなどは火が通りやすく、カレーに使う「飴色玉ねぎ」もすばやくできるという特徴があります。ジャガイモも、瞬冷凍ならボソボソにならないため、カレーや肉じゃがなどの冷凍保存ができるのも便利です。
このように三菱の冷蔵庫なら、保存温度が高い順に、冷蔵室、ワイドチルド室、氷点下ストッカー、切れちゃう瞬冷凍、冷凍庫と、5段階で保存場所を選べます。
ほかにも、三菱電機の冷蔵庫には、保存中に3色LEDを当てることで野菜のビタミンCを増やし、彩りもよくする「グリーン朝どれ野菜室」などがあります。地味ですが半ドアを防ぐオートクローザー機能も、子どもが冷蔵庫を開けるようになった今、魅力的に感じます。
三菱の冷蔵庫を選んだ一番の理由は「切れちゃう瞬冷凍」。食材の保存性だけでなく、料理がしやすくなる冷蔵庫なのです。
ただし気になるところも
冷蔵庫を本当に買い替えるうえでは、残念な点もあります。今回選んだ「MR-WX60C」だけではないのですが、最新の冷蔵庫はデザイン上、ガラスドアを採用した製品が多くなりました。一見かっこいいのですが、1つ大きな問題が。
そう、マグネットがくっつかないのです。量販店の店頭では冷蔵庫のデザインは重要ですが、実際キッチンに置くと、冷蔵庫のドア表面は 学校からのお知らせや家族の伝達事項など、様々なプリントを貼り付ける掲示板となります。 ガラスドアの「MR-WX60C」ではそれができなくなります。
対応策としては、吸着タイプのマグネットシートを冷蔵庫のガラスドアに貼ることで、マグネットが使えるようになります。ただ、範囲が限られること、磁力が弱いことは欠点として残ります。実際に買い替えたとしたら、多くのプリントをどうするか、悩むことになりそうです。
とはいえ、「MR-WX60C」への買い替えなら冷蔵庫の保存容量が増えて、さらに便利な保存機能も使えるとなれば、もはやためらう必要はなさそうです。本当に冷蔵庫を買い替えたくなってきました。「MR-WX60C」の実勢価格は、24万1,060円(ヨドバシカメラ)。妄想予算の30万円で問題なく収まりました。
バーチャル予算はあと5万円ほど残っていますが、ちょっといいお肉などを買って、冷蔵庫で美味しく保存したいと思います。