ヤフーは6月26日、東京ガーデンテラス紀尾井町内に7月2日に開所する、同社の企業内保育所「HUTTE(ヒュッテ)」の開所式を行った。「おはなしとどうぶつ」をテーマとした施設内には、壁や天井いっぱいに絵本作家・しのだこうへい氏が描いたさまざまな動物の絵がデザインされている。通勤などに不安を感じる「企業内保育所」だが、どのよう工夫がなされているのだろうか。
「手ぶら登園」で通勤の負担を軽減
同施設では、ヤフー社員の子どもを対象とした月ぎめ保育(0~2歳)と、一時保育(未就学児)を行う。基本保育時間は7~18時、延長保育は20時までとなる。希望者にはオムツを保育所で用意し、洋服や布団なども洗濯してくれる「手ぶら登園」を導入し、電車で登園する利用者の負担軽減に努めるという。
同施設の運営を担うパソナフォスターの代表取締役社長・長畑久美子氏は、「通勤について心配する声もありますが、自宅近くの保育園に預けた場合、帰宅途中にお迎えに行って、帰るとすぐに夕飯の支度などをしなければいけないということで、なかなか子どもとスキンシップをする時間が少ないと思います。でも当施設では『手ぶら登園』を導入したことで、親御さんは両手が空くんです。この両手は子どもたちを抱きしめる手になります」と、挨拶の中で述べた。
式後の質疑応答に対応したヤフー政策企画本部・友成愛氏も「子どもを連れて毎日電車に乗るのはたしかに大変です。しかし、弊社には時差・時短勤務はもちろん、フレックス制度など勤務制度が充実していますので、そういった制度を活用すれば大丈夫だろう、ということで開所を決めました。それがなければかなり難しかったかもしれません」と話した。
オフィスビルが立ち並ぶ都会に保育園をつくることに関しては、「都市部に保育園をつくった場合、園庭や緑についてのお声を聞くことがありますが、今回近くに緑のある公園もありますし、そういったことは問題ないと思います」と前述の長畑氏は話す。
また、同施設が入居する東京ガーデンテラス紀尾井町を運営する西武プロパティーズの取締役常務執行役員・齊藤朝秀氏も、挨拶の中で「この建物のコンセプトは『緑と歴史』です。4階にビオトープや植栽、お花を植えて季節の彩りのある庭をつくっています。敷地の中はもちろん車も通っていませんので、子どもたちにはこの中をのびのびと駆け巡ってもらえればと思っております」とにこやかに述べた。