「半径5メートルの法則」を耳にしたことはあるだろうか? 人は生活している半径5メートルで恋愛し、社内恋愛が禁止されていても盛り上がるのは、そのためだそうだ。
ところで、この法則、実は働き方改革にも通用するかもしれない。先日、マイナビニュース読者1000人に「職場環境」について聞いてみた。
働き方改革を行うべき仕事内容とは
Q.自分の職場環境で改善したいと思うことはありますか?
はい 73.5%
いいえ 26.5%
Q.「はい」とお答えした方にお聞きします。どのようなことを改善したいですか?
- 「書類作成が煩雑」(35歳男性/静岡県/営業関連)
- 「社内資料作成が多い」(35歳男性/兵庫県/営業関連)
- 「売り上げに直結しない事務作業が多い」(54歳男性/東京都/IT関連技術職)
- 「無駄な会議の多さ」(35歳男性/神奈川県/技能工・運輸・設備関連)
- 「あまり意味のない業務時間外の会議をなくしたい」(44歳女性/兵庫県/事務・企画・経営関連)
- 「ペーパーレス、タブレットなどの活用」(40歳男性/大阪府/技能工・運輸・設備関連)
- 「情報共有のツールとしてクラウドを利用したい」(44歳女性/兵庫県/事務・企画・経営関連)
- 「IT化が進んでおらず、業務が非効率である」(48歳男性/神奈川県/事務・企画・経営関連)
- 「テレワーク導入したい」(50歳男性/岡山県/技能工・運輸・設備関連)
皆さんが感じる課題は、自分のデスクや会議スペースを中心とする範囲が多いようだ。つまり半径5メートルだ。
※最後のテレワークは除く
また、コメントをみると、仕事のインプット、アウトプットそれぞれに課題を感じてるようだ。例えば、会議というインプット機会が有効に機能していないこと。また、情報共有というアウトプットにおいて、社内資料が無駄に多かったり、ペーパーでの共有が非効率だったりすることだろう。
これらの日常業務における課題は、どうすれば効率化・改善できるのか。今回は、特定社会保険労務士で、TOKYO働き方改革支援事業コンサルタントでもある、米澤さんに「効率化の考え方と方法」を教えて貰った。
業務効率化の考え方は二つになる
業務の効率化は、大きく分けると以下の二つになると米澤さんは言う。
1.仕事のムリ・ムダ・ムラをなくすこと
2.新たな高速ハイウェイを建設すること
1の代表例は、会議のムダ、書類作成のムダ、業務そのもののムリ・ムダ・ムラ。ムダは個人単位では解決しずらいので、組織で取り組む必要がある。そこで、月1回「断捨離会議」を開いて、各自がムダだと思うことを持ち寄り、組織でヤメルことを決定していくのが効果的らしい。なお、断捨離には思い切りが必要だが、実行してみると非常に爽快らしい。
一方、ムリとムラは個人単位でも解決できる部分が多いそうだ。手順とルール、フォーマットを決めるのが効果的。また、チームで共有できるとなお効率がアップするとのこと。
ベンチャー企業に学ぶ
2の代表例は、クラウドやタブレット端末といったIT技術・機器の導入&活用で、特に成長著しいベンチャー企業がどんどん取り入れてる。その際、CIO(最高情報責任者)など、IT技術に長けた人材が中心になり、外部資源をうまく活用しながら実現しているようだ。
また、モバイル端末の普及とともに、在宅テレワークも可能な企業が増えてきて、この結果、通勤コストも減らせる。お金のリスクが大きいので、会社単位で取り組む経営課題になるとのこと。
2つ目の方法は経営者が取り組まないと実現しないが、1つ目の方法は現場社員でも出来そうだ。この機会に、自分の中心・半径5メートルの仕事を効率化してみるのは如何だろう。
調査時期: 2018年6月11日~
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男性731名 女性269名 計1000名
調査方法: インターネットログイン式アンケート
監修者プロフィール : 米澤 実(よねざわ みのる)
千葉県船橋市出身。株式会社リクルート(現リクルート・ホールディングス)でクリエイティブディレクター、ライン組織マネジメント、グループ企業の人事部長を経て、2010年独立。現在は「元気で強い成長企業の実現を支援する人事労務コンサルタント」として活動している。